#4 花占い

文字数 415文字

 少女は意中の男の子をデートに誘い、公園で彼を待っていた。
 約束の時間より早く来てしまった少女は暇を持て余し、自生していたマーガレットを一本摘み取った。
 花びらを1枚ずつむしりとしながらつぶやく。
 好き、嫌い、好き、嫌い、好き、嫌い、好き、嫌い、好き、嫌い。
「あたしのこと、キライなのかな」

 ――1時間が過ぎた。
 来る、来ない、来る、来ない、来る、来ない、来る、来ない。
「来てくれないのかな」

 ――3時間が過ぎた。
 待つ、帰る、待つ、帰る、待つ、帰る、待つ、帰る、待つ。
「そうだよね。もうちょっと待ってみよう」

 ――5時間が過ぎた。
 少女のそばには、マーガレットが一輪しか残っていなかった。
 すると、目の前を背が高くて端整な顔立ちの男の子が通りかかった。
 少女はマーガレットを摘み取り、最後の花占いをした。
 乗り換える、乗り換えない、乗り換える、乗り換えない、乗り換える――乗り換えない。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み