(二)-16

文字数 238文字

「それってどういう意味なんですか。魚屋やってちゃ悪いんですかい? 代々この近所に住んでちゃ悪いんですかい? ええ?」
 辰巳は女性の方を向いて大声を上げた。一羽が「ちょっとよしなさいよ」と言ってきたが、辰巳の耳には入らなかった。
 すると辰巳の背後、教室の前の方から「どうかしましたか」と声がした。振り向くとクラス担任の教師らしき女性が立っていた。教室に入ってきてからすぐ声を掛けたわけではないのだろう。黒板には先ほどは書かれていなかった「月島晴美」と文字が書かれていた。

(続く)
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