アルバイターと○○なお客達

文字数 631文字

 今みたいに動画撮影はされなくとも、メンタルを削って来る客は居る。それでも、店長曰く「お客様を神様と思えとは言わないけど、お金を貰っている以上は大切に」である。つまり、怒鳴られようが笑顔で接客。どうにもならなかったら、店長に投げる。バイト仲間は、店長に「怒られるのも俺の役目」と言われたらしい。
 早いのも売りな牛丼屋だから、お客側も長居をしないしクレームで時間を無駄にすることはない。しかし、アルコールも提供している以上、酔っぱらいに絡まれることもある。と言うか、面倒な相手は大抵が酔っぱらいである。
 ちょい呑みなら問題ない。しかし、他で飲んできて更に飲む人が達が悪い。絡み酒の相手をするのは、カウンター越しでも怖い。まだ十代の乙女である。酔っぱらいは遭遇するだけでも怖い。それなのに、店の決まりで出せる数を越えたことを伝えて怒鳴られる。店長は不在。最早、どうやって場を収めたかも覚えていない。
 そして、酔っぱらって来店、食べるだけ食べて携帯を置いて消えた男性も居た。先輩曰く「携帯があるから戻って来るだろ。その時にお金貰って」であった。
 しかし、置いて行ったのは携帯。携帯が無くなった時に人はどうするか……人に頼んで携帯を鳴らして貰い、その音で携帯を探すのである。そう、携帯を取りに来たのは男性ではなく女性。二人の関係はどんなものか知らないが、先輩の説明により食べた分をきっちりと払って貰いました。食券制の店だったら無いハプニング、未だに覚えています。
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