11 『ウパデーシャ・サーハスリー』散文篇(2)
文字数 808文字
シャンカラはね、解脱の第一歩として、真実の自己=アートマンへの気づき(自己がアートマンであることを知ること)、へ誘う。
他でもない、ここにいる、こいつ、この<わたし>がじつはアートマンであったと気づくこと、それにより、人は苦しみの大海から逃れられる、とする
まずは今言ったように、社会的な属性のことじゃない。
要するに、履歴書や経歴書に書くようなものじゃない。
自己紹介で語られるようなものじゃない。
なぜならそれらはすべて他律的なものであり、アートマンは自律的なものだから
あるいは「私は女性で・・・」とか、もっと言うと「シャネルが好きで・・・」とか「B型で・・・」とか、そういったものは全部、他のものと比較して、ってことでしょ。
要するに、これはね、錯綜とした社会の網の目の中で、<わたし>とは●●だ、と立ち位置を印づけるようなものだ。
だからぼくはね、それを(社会的な関係性の中で位置が定まる)他律的な自己定義って言うんだよ