第14話 キラーマンテイス
文字数 3,201文字
ダンジョンには、ダンジョンマスターで吸血鬼五世代の女の子『スズキ ヒナ』がカップラーメンを食べていた。
吸血鬼の五世代。
吸血鬼は一番初めの者を真祖といい、
真祖に吸血鬼にされた者が二世代。
二世代→三世代→四世代→五世代となる。
真祖が一番強くて世代が進むと吸血鬼の
血が薄くなり弱くなっていく。
五世代って弱そう。
苦笑い。
「ヒロトです。異世界転移者だよね?状況を教えて。」
ヒナ「ヒナだよー。日本人の異世界転移者だよー。」
ヒナからこれまでの出来事、現在の状況を聞いた。
だいたいこんな感じ。
女子高校生。トラック事故で死亡。
白い部屋で転移の神様に会う。
ダンジョンマスターとして異世界転移。
生活の為、DP(ダンジョンポイント)を消費。
水洗便所、お風呂、部屋、家具、食事等。
DPの残りが少なくなり、ゴブリンも召喚出来ず。
以前ゴブリンを多数召喚していたが、アルミラージがダンジョンに入って来て暴れ捲って、残ったのはゴブリン3匹になった。
アルミラージがダンジョンを出ていくまで、怖くて泣きながら隠れて震えてたらしい。
俺の眷属のアルミラージのアルを見て怖がってる。
食事も箱単位で交換したカップラーメンしかなくなった。
種族の要望を聞かれて、カッコいいと思って吸血鬼を想像したら、
あっという間に、有無を言わさず吸血鬼にされた。
五世代だった為、弱くてレベ上げも出来ず。
自分とダンジョンで召喚した魔物のステータスは見れるらしいので、自分がレベル1なのは分かってる。
ダンジョンからも怖くて出れない。
はぁ~。
もっと計画的にDP使おうよ。って感じ。
「どうする?」
ヒナ「どうしよう。」
「五世代の吸血鬼って日中は外に出れる?」
ヒナ「出れない。」
「そうすると一緒に行動は出来ないね。」
ヒナ「ひん。」
ヒナは悲しそうな顔になる。
「ダンジョンポイントって倒さなくても中にいるだけで増加するよね。」
ヒナ「多分・・・。」
「提案がある。」
ヒナ「はい。」
「俺達は拠点が無いので、このダンジョンを拠点として住ませて欲しい。俺達がここに住めば、ヒナのある程度の安全は守られるし、ダンジョンポイントも取得出来るだろう。」
ヒナ「おお!いいね。」
「ヒナもいつまでもダンジョンを出れないと不便だろうから、俺の眷属にならないか?眷属になればステータスが倍になって、レベルも非常に上がりやすい。進化もできるようになるから、いつかは真祖になれるかもよ。」
ヒナ「おお!眷属になる。」
「即決だね。考えなくて良いの?」
ヒナ「どっちみち、ここで死ぬしか無かったし、ヒロトはこの世界に詳しそうだから、全てお任せで養って貰う!」
ヒナはちょっと悪い顔になって微笑。
「なんか良からぬ事を考えてそうだな。言っておくけどこの身体は中学生ぐらいだけど、中身はおっさんだよ。後でいいようにしようとしても無駄だよ。」
ヒナ「ふへ?」
その後、俺の事情をヒナに説明した。
ヒナ「ヒロトは勇者じゃ無いんだね。」
「良く分からないな。勇者だったのかも知れないけど、今はただの魔物使いだよ」
ヒナ「ふ~ん。魔王になっちゃうかもよ。」
「それは無いよ。今代の魔王は既にいるし。」
ヒナ「魔王がいるの?」
「会ったことは無いけど、ハクにそう聞いた。」
ヒナ「ハク?」
「この白蛇の彼女さ。」
ハクが右手から離れてお辞儀した。
ヒナ「話せるの?」
「眷属になれば頭の中で会話出来るよ。」
ヒナ「眷属になるなる。早くして。」
おやおや、本当に良いのかな?
「テイム!」
<吸血鬼をテイムしました。>
ヒナ「おおおお!強くなった!」
ヒナは嬉しそうだ。
その後、仲間に念話で自己紹介をさせて、ヒナも自己紹介して打ち解け始めた。
「あ、そうそう。ハク、ゴブリン3匹異次元から出して解放しよう。」
ハクがゴブリン3匹を異次元から出す。
ゴブリン3匹は気絶したまま。
起きるのを待ちましょうか。
「それからヒナ、カップラーメンちょーだい。」
ヒナ「良いよ。」
カップラーメンを貰って、沸騰したお湯を入れて3分ぐらい待つ。
蓋を開けて割り箸で啜る。
「ああ、これこれ、久しぶりの味だ。無性に食べたくなるときがあるんだよね。」
ヒナ「分かる~。」
後は拠点防衛強化の為、眷属を増やそうか。
俺達はヒナの部屋の手前にあった奥のスペースで寝る事にした。
ヒナはコボミをお風呂に入れて綺麗にした後、モフモフしながらベッドで寝るらしい。
DPが貯まったらベッドと交換してもらおうと考えながら、仲間たちと今日はもう寝る。
ーーーーーーーーーーーーーーー
朝だ。
目が覚めて、周りを見渡す。
昨日眷属になった仲間達が雑魚寝していた。
洞窟ダンジョンの広い空間。
コボミが通路から歩いてきた。
コボミ(ヒロト様、おはようございます。)
一角兎 の死骸を手に持っている。
朝早くから狩りに行ってたみたいだ。
(おはよう)
コボミ(朝ご飯にしましょう。)
コボミはスラオと一緒に手際よく一角兎 を解体し始めた。
横でとぐろを巻いて寝ていたハクを起こして、昨日狩った大猪 の肉を異次元収納から出して貰う。
生け捕りにした大猪 3匹は強そうなので、食料にするのは止めて拠点防衛の為眷属にした。名前はイノ1~イノ3。
読み方は、
イノ1=いのいち
イノ2=いのじ
イノ3=いのぞう
ね。
寝ていた仲間達も続々起きてきた。
スラオがファイアーで解体された肉を焼く。
ライゾウも雷で肉を焼く。
壁の扉が開いてヒナが歩いてきた。
ヒナ「おはよー、いい匂いだね。」
「おはよう、朝ご飯にしよう。」
ヒナ「なんか今朝確認したらDPが結構増えてたよー。」
「DPは後で必要になるから今は使わないでね」
ヒナ「はーい。」
ちょっと残念そう。
皆で肉と果実を食べて朝食とした。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
拠点防衛の為、眷属をゲットしに行こう。
一角兎 のアルと大猪 のイノ1~イノ3、コボルトのコボ1、コボ2、コボ4、コボ5は拠点防衛の為留守番。吸血鬼のヒナも日中は外に出られないので留守番だ。
コボルト達は朝早くから狩りに出かけて、レベルも上がっていた。
狩りが好きだねぇ。
先頭をコボルトのコボミにして、その後をドレイクのリザに乗った俺達が続く。
(コボミ、アイ、スパ、強そうな魔物を探してね。)
アイ(はい。)
コボミ、スパ(承知しました。)
コボミ(前方からキラーマンテイスの匂いがします。)
アイがスイーっと飛んで行った。
鑑定してくれるのだろう。
ところがアイがスイーっと戻って来た。
アイ(見つかった。)
後ろから人間より大きいカマキリが飛んで来た。
キラーマンテイス。
大蟷螂。体長2m。緑の身体。
二つの両手の鎌を構えている。
(スパ、拘束出来る?)
スパが糸を吐き出すが、大蟷螂 が両手の鎌で糸を器用に切り払う。
ヤバ!大蟷螂 がリザの頭上を越えて俺に向かってくる。俺がリーダーだって分かるのかな?
リザが前足の爪で攻撃。
大蟷螂 は躱す。
リザの頭の上で寝てた雷獣のライゾウが起きた。
ライゾウの雷撃!
大蟷螂 に直撃。
大蟷螂 は気絶して地面に落ちた。
ハク(ライゾウ、寝てちゃダメ。)
ライゾウ(すまん、すまん。)
「テイム」
<キラーマンテイスをテイムしました。>
こいつは強いな。
名前はカマ1に決めた。
俺ってつくづくネーミングセンス無いよなぁ。
吸血鬼の五世代。
吸血鬼は一番初めの者を真祖といい、
真祖に吸血鬼にされた者が二世代。
二世代→三世代→四世代→五世代となる。
真祖が一番強くて世代が進むと吸血鬼の
血が薄くなり弱くなっていく。
五世代って弱そう。
苦笑い。
「ヒロトです。異世界転移者だよね?状況を教えて。」
ヒナ「ヒナだよー。日本人の異世界転移者だよー。」
ヒナからこれまでの出来事、現在の状況を聞いた。
だいたいこんな感じ。
女子高校生。トラック事故で死亡。
白い部屋で転移の神様に会う。
ダンジョンマスターとして異世界転移。
生活の為、DP(ダンジョンポイント)を消費。
水洗便所、お風呂、部屋、家具、食事等。
DPの残りが少なくなり、ゴブリンも召喚出来ず。
以前ゴブリンを多数召喚していたが、アルミラージがダンジョンに入って来て暴れ捲って、残ったのはゴブリン3匹になった。
アルミラージがダンジョンを出ていくまで、怖くて泣きながら隠れて震えてたらしい。
俺の眷属のアルミラージのアルを見て怖がってる。
食事も箱単位で交換したカップラーメンしかなくなった。
種族の要望を聞かれて、カッコいいと思って吸血鬼を想像したら、
あっという間に、有無を言わさず吸血鬼にされた。
五世代だった為、弱くてレベ上げも出来ず。
自分とダンジョンで召喚した魔物のステータスは見れるらしいので、自分がレベル1なのは分かってる。
ダンジョンからも怖くて出れない。
はぁ~。
もっと計画的にDP使おうよ。って感じ。
「どうする?」
ヒナ「どうしよう。」
「五世代の吸血鬼って日中は外に出れる?」
ヒナ「出れない。」
「そうすると一緒に行動は出来ないね。」
ヒナ「ひん。」
ヒナは悲しそうな顔になる。
「ダンジョンポイントって倒さなくても中にいるだけで増加するよね。」
ヒナ「多分・・・。」
「提案がある。」
ヒナ「はい。」
「俺達は拠点が無いので、このダンジョンを拠点として住ませて欲しい。俺達がここに住めば、ヒナのある程度の安全は守られるし、ダンジョンポイントも取得出来るだろう。」
ヒナ「おお!いいね。」
「ヒナもいつまでもダンジョンを出れないと不便だろうから、俺の眷属にならないか?眷属になればステータスが倍になって、レベルも非常に上がりやすい。進化もできるようになるから、いつかは真祖になれるかもよ。」
ヒナ「おお!眷属になる。」
「即決だね。考えなくて良いの?」
ヒナ「どっちみち、ここで死ぬしか無かったし、ヒロトはこの世界に詳しそうだから、全てお任せで養って貰う!」
ヒナはちょっと悪い顔になって微笑。
「なんか良からぬ事を考えてそうだな。言っておくけどこの身体は中学生ぐらいだけど、中身はおっさんだよ。後でいいようにしようとしても無駄だよ。」
ヒナ「ふへ?」
その後、俺の事情をヒナに説明した。
ヒナ「ヒロトは勇者じゃ無いんだね。」
「良く分からないな。勇者だったのかも知れないけど、今はただの魔物使いだよ」
ヒナ「ふ~ん。魔王になっちゃうかもよ。」
「それは無いよ。今代の魔王は既にいるし。」
ヒナ「魔王がいるの?」
「会ったことは無いけど、ハクにそう聞いた。」
ヒナ「ハク?」
「この白蛇の彼女さ。」
ハクが右手から離れてお辞儀した。
ヒナ「話せるの?」
「眷属になれば頭の中で会話出来るよ。」
ヒナ「眷属になるなる。早くして。」
おやおや、本当に良いのかな?
「テイム!」
<吸血鬼をテイムしました。>
ヒナ「おおおお!強くなった!」
ヒナは嬉しそうだ。
その後、仲間に念話で自己紹介をさせて、ヒナも自己紹介して打ち解け始めた。
「あ、そうそう。ハク、ゴブリン3匹異次元から出して解放しよう。」
ハクがゴブリン3匹を異次元から出す。
ゴブリン3匹は気絶したまま。
起きるのを待ちましょうか。
「それからヒナ、カップラーメンちょーだい。」
ヒナ「良いよ。」
カップラーメンを貰って、沸騰したお湯を入れて3分ぐらい待つ。
蓋を開けて割り箸で啜る。
「ああ、これこれ、久しぶりの味だ。無性に食べたくなるときがあるんだよね。」
ヒナ「分かる~。」
後は拠点防衛強化の為、眷属を増やそうか。
俺達はヒナの部屋の手前にあった奥のスペースで寝る事にした。
ヒナはコボミをお風呂に入れて綺麗にした後、モフモフしながらベッドで寝るらしい。
DPが貯まったらベッドと交換してもらおうと考えながら、仲間たちと今日はもう寝る。
ーーーーーーーーーーーーーーー
朝だ。
目が覚めて、周りを見渡す。
昨日眷属になった仲間達が雑魚寝していた。
洞窟ダンジョンの広い空間。
コボミが通路から歩いてきた。
コボミ(ヒロト様、おはようございます。)
朝早くから狩りに行ってたみたいだ。
(おはよう)
コボミ(朝ご飯にしましょう。)
コボミはスラオと一緒に手際よく
横でとぐろを巻いて寝ていたハクを起こして、昨日狩った
生け捕りにした
読み方は、
イノ1=いのいち
イノ2=いのじ
イノ3=いのぞう
ね。
寝ていた仲間達も続々起きてきた。
スラオがファイアーで解体された肉を焼く。
ライゾウも雷で肉を焼く。
壁の扉が開いてヒナが歩いてきた。
ヒナ「おはよー、いい匂いだね。」
「おはよう、朝ご飯にしよう。」
ヒナ「なんか今朝確認したらDPが結構増えてたよー。」
「DPは後で必要になるから今は使わないでね」
ヒナ「はーい。」
ちょっと残念そう。
皆で肉と果実を食べて朝食とした。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
拠点防衛の為、眷属をゲットしに行こう。
コボルト達は朝早くから狩りに出かけて、レベルも上がっていた。
狩りが好きだねぇ。
先頭をコボルトのコボミにして、その後をドレイクのリザに乗った俺達が続く。
(コボミ、アイ、スパ、強そうな魔物を探してね。)
アイ(はい。)
コボミ、スパ(承知しました。)
コボミ(前方からキラーマンテイスの匂いがします。)
アイがスイーっと飛んで行った。
鑑定してくれるのだろう。
ところがアイがスイーっと戻って来た。
アイ(見つかった。)
後ろから人間より大きいカマキリが飛んで来た。
キラーマンテイス。
大蟷螂。体長2m。緑の身体。
二つの両手の鎌を構えている。
(スパ、拘束出来る?)
スパが糸を吐き出すが、
ヤバ!
リザが前足の爪で攻撃。
リザの頭の上で寝てた雷獣のライゾウが起きた。
ライゾウの雷撃!
ハク(ライゾウ、寝てちゃダメ。)
ライゾウ(すまん、すまん。)
「テイム」
<キラーマンテイスをテイムしました。>
こいつは強いな。
名前はカマ1に決めた。
俺ってつくづくネーミングセンス無いよなぁ。