おでんでんででん
文字数 2,039文字
ハァイ! お待たせしすぎてみんな! 枯れてなァーい?
お肌が見晴らしの良いゴビ砂漠のド真ん中だってのに、なおもイチゴっ鼻を隠そうとコンシーラー塗ったくってるアナタ!
責任感のない男が「君は笑顔が一番だよ」とかいうけど、アレほどにラクな褒め方はない。そんな言説に惑わされて(でも顔面を動かすたびにおしろいが崩れるのよ~)っていいながらの、たゆまぬ努力をしているよいこのみんな!
とくに書くこともないわ! この連載、お開きよ!
ってゆったらアレなの? 15歳で70%熱傷してその後どうにかケッコンしてロト6とナンバーズと万馬券を立て続けに当ててタワマンに住むまでこぎつけたアタシの自分語りができなくなるの? ねぇできなくなるの?
それでは気合入れて――
破竹の承前っ
前のお話しからの続きです。
とりあえずはICU症候群、スパゲティシンドローム、肺炎、過呼吸、禁煙、スペースシャトルが燃えてるのをNHKで観る、その他一通り経験したのちICU卒業。もうボロくたである。
(あ。ICU症候群てのはあれ、刑務所の拘禁反応みたいなの。環境の激変と抑制帯みたいな行動制限で頭パッパラパーになる、ICU特有のせん妄状態。で、スパゲティシンドロームは点滴とか、経管栄養、人工呼吸器、酸素マスクなんかで文字通り全身から何本も管が出てる状態な。スパゲティは見た感じを指すのであって精神症状は関係ないとされる)
そして上の階の救急一般病棟に上がるんだけど、その前に。
アレをせねばならない――リハビリを。
よく救命ドラマでご覧になったこともあるかと思います。
フーってやると中のピンポン玉のようなものが浮かび、息を吹かなかったら落ちる肺機能のトレーニング小物。
正式名称は「フーってやるやつ」。ドクター中松さんの考案です。ごめんなさい2秒でバレる嘘です。
併発した肺炎で肺機能ガタ落ちなんだ。なので過呼吸寸前までフーってやるやつフーってやってた。
喋れなくなるくらい肺機能落ちるって、あれよ。SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度。サチュレーションって口語的にいうけど、あれは厳密にはSaO2(=動脈血を注射器で抜いて測定するほうの酸素飽和度)を指す。
アタシ当時だいたいSpO2で80台だった。
なお健康な人が息止めて顔が青くなってもう限界……ってまで頑張っても80台にはならないとか。でも肺機能落ちてると落ちてるなりに酸素分配とか身体がほどよく順応して、そこまで苦しくないとか……余談。
まぁしゃべれないくらい弱ってるわけであったが生きるためのリハは常に行なった。
ICU在院時から坐位をキープしたりね。できた? じゃ、車いすで自走しよ♪ 早くして早く。どうしたの? はやくここまでおいで? やっと追いついたね、じゃあ向こうまで戻ろ♪ 何やってるの? 風邪ひくから早くこいで♪ みたいなー……。それを一日中……。
その他リハのオンパレード。つらかったでござる。これなら焼け死んでた方がまだマシなのでは……と思ったり思わなかったり。
当時わたしはIVH(中心静脈栄養。鎖骨のあたりに針ブッ刺して、IVHさえしてれば寝たきり完全放置でも死なないという、科学の粋)も検討されたが、お腹の機能はよく、鼻腔からの経管栄養で生存してたんだけど、嘔吐? 胃痛? がひどかった。
とうぜん胃潰瘍を疑ってハイ内視鏡、って流れになり。
検査の時、栄養のチューブのもすっぽ抜けたのだけど、
「まぁいいでしょう、ちょうどチューブの違和感なくなって食べやすくなるでしょうし」
との主治医の読み(?)どおり、その日の晩ごはん、おでんめっちゃ食った。
とか何とか言ってるうちに、そういえば皮膚移植(植皮)4回済ませたんだわ、わし。ひと月で。
当初焼け残った部位から採皮する→人工真皮使う→足の裏→頭皮 の順で候補にあがったりしたけど、なんとか人工真皮でストップ。ガチな火傷の人はホントに頭皮採るからウィッグの生活だってさ……。
とまぁ、ICUでは毎日「五分五分ですね」といわれてたわたしも、一般病棟へ上がってからは食うわ食うわの食いしん坊になり、「ういろう! ういろう! 食いたい! あとワッフル! プリンも!」といっては家族を困らせたっていう話も今では笑って話せるけどね、当時は必死だった。
――そこで主務は考えた。この亀ペースで書いてたらケッコンの情景描写なんてできやしない、本気で北極が水没する、と。
そうか。
進撃の巨人だ……。
いきなりエレンもあそこでビックリなくらい年取ったんだし、ここはひとつ、次のエントリで巻きに巻こう。
そぉゆぅわけで、このエントリはひとまず脱肛、もとい脱稿~~!
楽しんでくれたかなぁ~? あれ~? 声が小さいよぉ~?
ご飯の前には、もっと元気な声で、「主務の宝くじが皆悉く歴然と当たりますように!」っていうんだよぉ~?
次回まで練習ね!
さぁて来週も! 耄碌・耄碌! んちゃ♪
お肌が見晴らしの良いゴビ砂漠のド真ん中だってのに、なおもイチゴっ鼻を隠そうとコンシーラー塗ったくってるアナタ!
責任感のない男が「君は笑顔が一番だよ」とかいうけど、アレほどにラクな褒め方はない。そんな言説に惑わされて(でも顔面を動かすたびにおしろいが崩れるのよ~)っていいながらの、たゆまぬ努力をしているよいこのみんな!
とくに書くこともないわ! この連載、お開きよ!
ってゆったらアレなの? 15歳で70%熱傷してその後どうにかケッコンしてロト6とナンバーズと万馬券を立て続けに当ててタワマンに住むまでこぎつけたアタシの自分語りができなくなるの? ねぇできなくなるの?
それでは気合入れて――
破竹の承前っ
前のお話しからの続きです。
とりあえずはICU症候群、スパゲティシンドローム、肺炎、過呼吸、禁煙、スペースシャトルが燃えてるのをNHKで観る、その他一通り経験したのちICU卒業。もうボロくたである。
(あ。ICU症候群てのはあれ、刑務所の拘禁反応みたいなの。環境の激変と抑制帯みたいな行動制限で頭パッパラパーになる、ICU特有のせん妄状態。で、スパゲティシンドロームは点滴とか、経管栄養、人工呼吸器、酸素マスクなんかで文字通り全身から何本も管が出てる状態な。スパゲティは見た感じを指すのであって精神症状は関係ないとされる)
そして上の階の救急一般病棟に上がるんだけど、その前に。
アレをせねばならない――リハビリを。
よく救命ドラマでご覧になったこともあるかと思います。
フーってやると中のピンポン玉のようなものが浮かび、息を吹かなかったら落ちる肺機能のトレーニング小物。
正式名称は「フーってやるやつ」。ドクター中松さんの考案です。ごめんなさい2秒でバレる嘘です。
併発した肺炎で肺機能ガタ落ちなんだ。なので過呼吸寸前までフーってやるやつフーってやってた。
喋れなくなるくらい肺機能落ちるって、あれよ。SpO2(経皮的動脈血酸素飽和度。サチュレーションって口語的にいうけど、あれは厳密にはSaO2(=動脈血を注射器で抜いて測定するほうの酸素飽和度)を指す。
アタシ当時だいたいSpO2で80台だった。
なお健康な人が息止めて顔が青くなってもう限界……ってまで頑張っても80台にはならないとか。でも肺機能落ちてると落ちてるなりに酸素分配とか身体がほどよく順応して、そこまで苦しくないとか……余談。
まぁしゃべれないくらい弱ってるわけであったが生きるためのリハは常に行なった。
ICU在院時から坐位をキープしたりね。できた? じゃ、車いすで自走しよ♪ 早くして早く。どうしたの? はやくここまでおいで? やっと追いついたね、じゃあ向こうまで戻ろ♪ 何やってるの? 風邪ひくから早くこいで♪ みたいなー……。それを一日中……。
その他リハのオンパレード。つらかったでござる。これなら焼け死んでた方がまだマシなのでは……と思ったり思わなかったり。
当時わたしはIVH(中心静脈栄養。鎖骨のあたりに針ブッ刺して、IVHさえしてれば寝たきり完全放置でも死なないという、科学の粋)も検討されたが、お腹の機能はよく、鼻腔からの経管栄養で生存してたんだけど、嘔吐? 胃痛? がひどかった。
とうぜん胃潰瘍を疑ってハイ内視鏡、って流れになり。
検査の時、栄養のチューブのもすっぽ抜けたのだけど、
「まぁいいでしょう、ちょうどチューブの違和感なくなって食べやすくなるでしょうし」
との主治医の読み(?)どおり、その日の晩ごはん、おでんめっちゃ食った。
とか何とか言ってるうちに、そういえば皮膚移植(植皮)4回済ませたんだわ、わし。ひと月で。
当初焼け残った部位から採皮する→人工真皮使う→足の裏→頭皮 の順で候補にあがったりしたけど、なんとか人工真皮でストップ。ガチな火傷の人はホントに頭皮採るからウィッグの生活だってさ……。
とまぁ、ICUでは毎日「五分五分ですね」といわれてたわたしも、一般病棟へ上がってからは食うわ食うわの食いしん坊になり、「ういろう! ういろう! 食いたい! あとワッフル! プリンも!」といっては家族を困らせたっていう話も今では笑って話せるけどね、当時は必死だった。
――そこで主務は考えた。この亀ペースで書いてたらケッコンの情景描写なんてできやしない、本気で北極が水没する、と。
そうか。
進撃の巨人だ……。
いきなりエレンもあそこでビックリなくらい年取ったんだし、ここはひとつ、次のエントリで巻きに巻こう。
そぉゆぅわけで、このエントリはひとまず脱肛、もとい脱稿~~!
楽しんでくれたかなぁ~? あれ~? 声が小さいよぉ~?
ご飯の前には、もっと元気な声で、「主務の宝くじが皆悉く歴然と当たりますように!」っていうんだよぉ~?
次回まで練習ね!
さぁて来週も! 耄碌・耄碌! んちゃ♪