(三)-3

文字数 259文字

 するとメアリーは立ち上がった。そして出勤前のサムに抱きついた。
「すごーい、素敵。パパ、ありがとう! 愛してるわ」
 そう言うとメアリーはサムの頬にキスをした。
 私はイリーネの元を去ってから、再びこんな幸せな場面に出会えるとは思ってもみなかった。幸せな家庭団らん。イリーネとヘロルドにもこういう場面があったら良かったのにと、ふと考えてしまった。

 出勤でサムが家を出ると、メアリーは私を自分の部屋へと持って行った。そして学校用の鞄に私を詰め込んだ。
 そしてメアリーは家を出て、迎えに来た黄色のスクールバスに乗った。

(続く)
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