第51話 ほっとする野山と朔とお年玉
文字数 535文字
野山が、ほっとしたように朔を見た。
「よかったね」
「はい」
本当は、学校に行くことはあまり気が進まない。だが、菜月にもちゃんと卒業するようにと言われているし、行くしかないと観念しているというのが本音だ。
すると、蜂須が言った。
「ですが、どうしても折り合いがつかないこともあるかもしれませんので、学校とよく話し合って、通えない場合は、課題の提出等で単位を取得する方式を取ってもらうことになりました」
「へぇ……」
野山は曖昧な返事をしているが、朔は内心ほっとしていた。どうやら、何がなんでも学校に通わなくてはいけないというわけではないらしい。
食事をしながら、野山にいろいろ聞かれ、望が料理をしに来て泊まって行くことや、そのときに叔母がたくさん総菜を持たせてくれることなどを話した。
「それは頼もしいね。従兄弟くんは、将来は食堂を継ぐのかな」
「どうかな……。そう言えば、明日も来ることになっているんです」
「そうなの、それは楽しみだね」
子供がいないという野山は、終始笑顔で朔に話しかけ、帰りにはお年玉までくれた。朔が恐縮すると、彼は言った。
「君の稼ぎに比べたら雀の涙くらいのものだけど、これからもよろしくっていう僕の気持ちだよ。なにしろ、僕は君の絵のファン第一号だからね」
「よかったね」
「はい」
本当は、学校に行くことはあまり気が進まない。だが、菜月にもちゃんと卒業するようにと言われているし、行くしかないと観念しているというのが本音だ。
すると、蜂須が言った。
「ですが、どうしても折り合いがつかないこともあるかもしれませんので、学校とよく話し合って、通えない場合は、課題の提出等で単位を取得する方式を取ってもらうことになりました」
「へぇ……」
野山は曖昧な返事をしているが、朔は内心ほっとしていた。どうやら、何がなんでも学校に通わなくてはいけないというわけではないらしい。
食事をしながら、野山にいろいろ聞かれ、望が料理をしに来て泊まって行くことや、そのときに叔母がたくさん総菜を持たせてくれることなどを話した。
「それは頼もしいね。従兄弟くんは、将来は食堂を継ぐのかな」
「どうかな……。そう言えば、明日も来ることになっているんです」
「そうなの、それは楽しみだね」
子供がいないという野山は、終始笑顔で朔に話しかけ、帰りにはお年玉までくれた。朔が恐縮すると、彼は言った。
「君の稼ぎに比べたら雀の涙くらいのものだけど、これからもよろしくっていう僕の気持ちだよ。なにしろ、僕は君の絵のファン第一号だからね」