一文小説集「水の音/かくれんぼ/ポン/色/泡」

文字数 225文字

 隣の房にいる人魚の受刑者が寝返りを打つ水の音が涼しい、夏の夜だった。

***

 死んだ息子たちが墓地でかくれんぼをしているが、彼ら自身の墓石の陰には誰も隠れようとしないのが可笑しい。

***

 母の墓前に私の卒業証書を供えた墓地の方から、夜中、ポン!と筒の蓋を開ける音がする。

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 義母が頑張って作ってくれたオムライスの、ミックスベジタブルの色を見て、ここはやはり異星なのだと改めて実感する。

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 いつもより遅く昇ってきた太陽にビールの泡がついている。
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