愛されたり憎まれたりする人ダビデ
文字数 1,674文字
ダビデがサウルと語り終えたとき、サウルの息子ヨナタンの心はダビデの心に結びついた。ヨナタンは、自分と同じほどにダビデを愛した。(サムエル記Ⅰ/18章1節に補足)
サウルはその日、ダビデを召し抱え、父の家に帰らせなかった
ヨナタンは、自分と同じほどにダビデを愛したので、ダビデと契約を結んだ。
ヨナタンは来ていた上着を脱いで、それをダビデに与え、自分の鎧兜、さらに剣、弓、帯までも彼に与えた。 (サムエル記Ⅰ/18章2-3節原文まま。本当にまんま)
サウル王の後ろには女が控えていた。ダビデはその女が若く美しくさらに将来有望そうな身体であるのを見た。
ミカルはサウルの娘、王女メラブの妹である。また、恋した相手には一途なタイプであった。
「私の兄弟ヨナタンが貴方と契約を結んだと告げるものがありました。彼は道具持ちとたったふたりでペリシテの艦隊に殴り込みをかけ、大混乱に陥れ壊滅させた知将にして猛将。彼が認めた貴方は神に愛された戦士なのでしょう」 (サムエル記Ⅰ/14章を要約)
ミカルはダビデに口づけすると、供を連れて都エルサレムへと帰っていった。
「心配することはない、友よ。私は貴様に花嫁料※を求めはしない。ただペリシテ人の陽の皮百枚を持ち帰れば、我が娘ミカルを嫁にやろう」 (サムエル記Ⅰ/18章を要約)
※婿が嫁の家に納める金品。結納金のようなもので王家ともなれば莫大な額になる
陽の皮とは男のナニが被っている皮のことである。イスラエル人すなわちユダヤ人には『割礼(かつれい)』の風習があり、男児は生まれて八日目におち●ち●の皮を切除される。ユダヤ人に包茎はいないのだ。
ゆえに陽の皮を持ち帰ることは外敵を討ち取った証となる……のだがそれは地球人の話。ペリシテ星人は
なので陽の皮などあるはずもなく達成は不可能。サウルは外道であった。
娘を奪われた父の眼力は神の祝福を授かったエイリアンバスターのそれを凌駕していた。
こうしてダビデは戦場を駆けずり回るはめになったが、どこでもサウルが遣わすところに出ていって勝利を収めたので、サウルは仕方なく彼を戦士たちの長とした。
エルサレムに向かっていたミカルが消息を絶ったと報せが入ったのは、ちょうどその日の夜のことであった。
<割礼について>
日本では馴染みが薄い割礼ですがアメリカなどでは今も広く行われています。宗教的な意味合いだけでなく、ナニが清潔に保たれるため性病のリスクが下がるほか、性不能にもなりにくくなるからです。立派な医療行為でもあるわけですね。
「俺、包茎治療受けるんだ」と「俺、割礼受けるんだ」のどっちが周りに言いやすいかは個人の判断に任せます。