考察 目黒という透明人間
文字数 460文字
考察 目黒という透明人間
目黒は闘争が好きという以外にあまり自己主張のない人間のように読者の皆様には映っただろうか?
多分、そうではない
目黒は平和に抗うという現実世界では受け入れられないエゴを抱えて、それから目を背け続けていただけだった
自分自身を認めず、それでいて平和な世界は望んでいない
世間に合わせるために自己をゆがませ、自分自身に嘘をつき、しかし自分だけを頼り
醜すぎる自分自身を誰にもさらけ出すことができず、しかし自我は暴走し、目黒はやりどころのない感情を抱え続ける
今の社会に目黒を受け入れてくれる場所は存在しない
しかし目黒は醜すぎる自我を抱えて生き続けなければならない
そうしていくうちに、目黒の心は透明人間になっていった
自分が感じる苦痛を否定し、それを争うことでしか表現できない
誰もが見にくい自分から目を背ければ、遅かれ早かれ目黒のような存在になってしまう
もっと早く自分自身に向き合っていれば、目黒もこうならなくて済んだのかもしれない
目黒は世間に合わせるのが辛いなら辛いと言ってもよかったんだよ
人間は決して無に還れない