第6話(7)

エピソード文字数 1,487文字

「みんなが悪い噂を書くなら、書けないようにみんなを無に還す! なにもかも吹っ飛んで消えちゃえー!!

 ピマ彦が叫ぶと、自動的に点火。導火線に灯った赤い火が、ジワジワと爆弾に近づいてゆく。

「この爆弾は、5分後に大爆発するのーっ。300秒後には星が消し飛んじゃうよっ!」
「あそ。それは怖いな」

 俺は焦らず騒がず、感想を述べた。
 え、どうして平静かって? そりゃぁ、周りには規格外の超人達がいるからですよ。

「勇者魔法使いさん。爆弾さんを凍らせちゃってくださいな」
「引き受けたぜよ師匠っ。とっておきの魔法で、爆弾先生を処分をするぜよ――」
「甘いっ。糖度20の桃より甘いよ!」

 フュルが杖を出していたら、ピマ彦が嘲笑した。

「爆弾の本体は究極奥義クラスじゃないと傷付けられない上に、半径10メートル内にある英雄の力と専用の武器を無効化する仕様になってるのー! つまり、英雄であっても止められないということだよっ!」
「ちょっ、なんだよそれ!? なんつー逆ご都合主義だ!」
「ついでに言うと起動したら動かせなくって、『戦場空間』にももってけないのっ。安全な場所に運んだり、シンキングタイムを増やしたりできないようになってるのさーっ」
「逆ご都合主義が追加された!? なぜそんな高性能なモンを貴様が持ってるんだ!?

 どうなってるんだよっ。どうして、ここまで俺らに不利なモンがあるんだ!

「自分達の農作物を沢山売る為、他の世界の畑を滅ぼそうとする組織・『のうのう』。その者と接触し、譲ってもらったのーっ!」
「……農業悪徳秘密組織、『のうのう』……。ここで、その名前を聞く事になるとはね……っ」

 不意に。横にいたシズナが、顔を歪めた。

「な、なあ。それ、キミらとなんか関係あるの?」
「『のうのう』は去年、ユニ先生に大きな作戦を阻止されたがよ。それで、対ワシら用の武器を作ったがやね……」

 なにをやってるんだ、『のうのう』。そんな技術力があるなら、農業に活かして沢山売れる作物を作れよ。

「僕らは、利害が一致っ。どんなヤツが来ても必ず爆発できるように、現在最強の爆弾――『結成10周年記念兵器その3・のうぽんちゃん 破壊力が強すぎてお蔵入りバージョン』をもらっておいたのー!」
「『のうのう』っ、最強をポンと渡すなよ!! くそぉっ、どうすりゃいいんだっ!」

 俺達は、英雄の力がなかったら普通の人間。のうぽんちゃんを破壊する術はないぞ。

「あははははっ、早く元の世界に帰らないと死んじゃうよー? 僕はこの世界の評判命だから、余所者くん達はサービスで逃がしてあげるー」
「っ、ざけんな! 他の人を放っておけるかってんだよっ!」

 それは、見殺しになってしまう。そんなのできるワケがない。

「…………レミア、フュル、シズナ、ごめん。優星の我儘に付き合ってください」
「にゅむっ、もちろんだよーっ。あたしも、自分だけってのはブブーだもんっ」
「師匠は、ワシの師匠ぜよ。どこまでも付いていきますき!」
「私は従兄くんの、そういう誰にでも優しい部分に惚れたんだもの。御一緒するわ」

 みんな……っ。あんがとね。

「ははんっ、ムダだよっ。そんなのムダなのーっ! 諦めた方がぁふん!?
「はーい。邪魔だから静かにしててねー」

 うるさいので、金的をして気絶させた。やっぱ男にはコレが一番で、ピマ彦は泡を吹いて倒れております。

「うし、邪魔者は静かになった。破壊する方法を考えよう!」

 制限時間は5分。俺らは円陣を組み、思案を始めた。
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登場人物紹介

色紙優星 16歳の少年


高知県生まれの主人公。

リリウという神様の聞き間違えで魔王使いになってしまい、おまけに『究極奥義』と呼ばれる力を何個も持ってしまった高校生。優しく他人想いなのだが、彼はとあるセンスが全くないのであった……。

黒真レミア 16歳の少女


魔王、でありながら伝説の勇者の能力を持つ。冷徹でクールな容姿と声音を持つ美少女だが、性格はほわほわでお子ちゃま。『にゅむ』という独特な言葉を多用し、時にはにゅむのみで会話を行おうとする。例「にゅむーむ。にゅむ。にゅむりん」。

なお愛用の武器である聖剣は魔王の天敵であるため、使うと痺れる。

金堂フュル 16歳の少女


伝説の勇者、でありながら伝説の魔法使いの能力を持つ。元気一杯の猫っぽい女の子で、高知県の英雄・坂本竜馬の大ファン。そのせいで『ぜよ』と中途半端に覚えた土佐弁を使い、主人公のことは『師匠』、仲間のことは名前のあとに『先生』とつけて呼ぶ(例えばレミアの場合はレミア先生)。

なかなかにおバカな女の子。

虹橋シズナ 17歳の少女


伝説の魔法使い、でありながら魔王の能力を持つ。大和撫子然とした容姿を持つ美少女であり、主人公の義理の従妹。

重度の怒られ好き。

とにかく変で厄介で面倒くさい人。

茶操ユニ 18歳の少女


伝説のドールマスター、でありながら伝説のプリーストの能力を持つ。キグルミ族という一族の人間で、閉園したテーマパークのキャラクター・二足歩行ウサギの着ぐるみを着ている。口癖は、ミョン。

実はお笑いにうるさく、親戚は某有名人。

プリースト神 年齢不明


茶操ユニが持つプリーストの杖に宿る、プリーストの神様。

実は……。

橙式エイリ 14歳の少女


伝説のモンスターテイマー、でありながら伝説の召喚士の能力を持つ。所謂スケバン然とした容姿と声を持つが、グループ最年少の中学生でみんなの妹的存在。でもレミアやフュルよりずっとまともで、ヤツらの方が妹的存在な気がする。

野菜が大好きで、とても詳しい。

タンザ・クー 年齢不明


橙式エイリの召喚獣で、俳句世界(はいくわーるど)の王女。

タンザが姓で、クーが名。

二万年後に、地球の傍に誕生する世界からやって来た。


色紙育月 16歳の少女


高知県大豊町在住の、優星の従妹。中学卒業と同時に本格的にピーマンの生産を始め、今ではテレビの取材を受けるほどになっている。


薄幸の美少女然とした容姿と、従兄想いの優しい性格が自慢の従妹です! by色紙優星

謎の声 年齢不明


優星にだけ聞こえる、不思議な声。

なぜか正体を明かそうとしない。

リリウ 神様


願いを聞き間違えて、優星を魔王使いにしてしまった神様。

神様の世界で流行しているゲームに夢中で、神様のお仕事はほとんどしない。

とってもダメな、神様(?)な神様。

麗平活美 16歳の少女


ストロベリーブロンドのドリルヘアーが特徴の、優星のクラスメイト。

お嬢様然とした容姿で気品があるように見えるが、非常に活発。実は……。

空霧雲海 16歳の少年


頼れる兄貴系の容姿と性格を持つ優星の同級生であり、悪友であり、重度のオタク。

作中に登場する名曲(迷曲)を作った人。

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