(三)-2

文字数 220文字

 男の子はそう言うと、小さく「すみません」と言ってうつむいてしまった。
 本当にわかっているのか、怪しく思った。ともかく、この子が誰なのかもはっきりさせないと。
「それで、あなたの名前は?」
「加島拓弥」
 うつむいたまま小さくぶっきらぼうに言った。
「語尾に『です』を付けなさいよ。あなた、自己紹介もろくにできないわけ?」
「加島拓弥……です」
「で、あなた、翔太と付き合っていたの?」
「そうです」
「どこの翔太よ」
「あんたが付き合っている……」

(続く)
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