第3話

文字数 755文字

 俺は、とりあえずゾンビ化したクルーカットの頭にありったけの銃弾を撃ち込んで、例の科学者だかなんだかに聞こえるように怒鳴った。

「おい! わかった! 降参だ! 俺が悪かった。これからは心を入れ替えて、男尊女卑なコンテンツは作らない」

 ムカつく話だが、こいつが機械を操作しないと、俺はこの映像世界から出られないのだ。嘘でもなんでも言って、とにかく出なくてはならない。口先だけで謝って、後で思いきり文句を言い、訴えてやる。
「あのね……このシステムって、脳を走査しているから、被験者の考えていること、全部読めるんだよね」
「え……?」
「あなた今考えたことも全部わかるの。じゃあ、続きをどうぞ。ああ、そうだ。あなたの頭でも理解できるような、もっとシンプルなものに変えた方が良いかしら?」

 ゾンビの死体と寂れた牧場は目の前から消えて、二次元の世界になった。
 パポーン♪ パポーン♪ と軽快な電子音が聞こえる。

 気配を感じて振り返ると、髭と帽子のキャラクターが、トコトコと走ってくる。嫌な予感がして自分の姿を見ると、ピンク色のフリフリのドレスを着ていた。肩には金髪がかかっている。

 と、走ってきた髭&帽子が俺を担ぎ上げて走り出した。勘弁してくれ。

 ものすごく高い段差を飛び上がったり、飛び降りたり、キノコを食べたりするキャラに、俺はずっと担ぎ上げられたまま水平方向に移動し続けた。その間に俺はこのゲームがどんなものだったのか、思い返していた。これって最後に報酬としてキスか何かするんだっけか……おえ。

「くそっ! こんなものやってられるか! 嫌だ! 出せ! ここから出せぇええええ――っ!」

 癇癪を起した俺は、髭&帽子の上から飛び降りて、ひっくり返って手足をバタバタさせて叫んだ。

 と、またもや急に場面が変わった。

(次話に続く)
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