第1話 仲間を探して~塞がれた道

文字数 1,417文字

確か北って言ってたよな。
看板に『この先旅の酒場』と書いてあった。
あ、あれかな。

小さい酒場だな。

本当にいるのかな?

町の酒場より半分くらい小さく、数人しか座れないカウンターだった。

立っていると、前にいる男性が声をかけた。

なんだ、あんた?

ずっと立ってないで、座ったらどうだ?

あ、すみません。

失礼します。

何か飲むか?
飲みに来たと思われ、酒を勧められた。
いえ、僕は何も。
そうか。

ここになんか用なのか?

マイケルは胡散臭そうに角矢を見る。
ここに仲間がいると聞いてやって来たんです。
怯まずに正直に話す。
仲間?

あんた、名前は?

マイケルがあやしがって聞いた。

この人が本当に仲間なのか?

角矢です。
もしかして、あの王様のお触れを見て来たのか?
どうやら、マイケルも知っているようだ。
はい、そうです。

先を急げと言うお触れだったので。

仲間がいないと、冒険出来ないので。

ふうん。あんたも王様に急かされたんだな。

俺も、仲間を集めて旅をしろと言われて、この酒場で待ってたんだよ。

まあ、よろしくな!

意外とよさそうな人だ。

仲間になってくれると言ってくれた。

それで、これからどこに行くか分かってるのか?
いえ、何も。
何も聞いていないのだから、知るわけがない。
マルシーユ町という町に行きたいんだが、道が塞がれてるから、迂回をしないといけないんだ。
洞窟とかあるんですか?
洞窟はないが、海岸通を歩くことになる。
海岸通?

敵はいるのか?

いや。

普通の海だからいないよ。

そうなんですか。

マルシーユまでの道のりは分かるんですか?

道を知っていそうだったから聞いてみた。
道が塞がらなければ、分かるんだけどな。海岸通ははじめてだからな。
知らなかったのか。

どうすればいいのか?

とりあえず海岸通を歩くしか。

とりあえず、海岸通を歩いてみよう。

誰かいるかもしれない。

分かりました。
大丈夫かな?

まあ、行くしかないだろう。

しばらくして海岸通についた。

本当に海だ。

どこかに繋がる道があるはずなんだが。
あら、お兄さんたち、何かお困り?
マルシーユに行きたいんだが。
あら、案内してあげましょうか?
道、知ってるの?
知ってるわよ。

行ったことあるから。

じゃあ、案内して。
良いわよ。

お礼は何がいいかしら。

(あのお兄さん、好みかも)

女性は海水浴をしていたのか、水着だったので、海の家に着替えに言った。

(なんかセクシーな女性だったな。胸も大きかったし)


しばらくして、女性が戻ってきた。

お待たせ。

それじゃ行きましょうか?

女性は水着の上から上着を羽織っただけだったが、歩くたびに胸が揺れる。
はい。

そうしましょう。

俺もこの辺ははじめてなんだが、ここから近いのか?
海岸通を抜ければ、すぐよ。

分かりやすい所だから。

そうなのか。
そうよ。

ねえ、少し腕組んで良い?

女性は角矢の腕に自分の腕を絡ませてきた。

胸が押し付けられて、どぎまぎする。

(この女、角矢に気があるのか?)
女性は角矢と腕を組んでいるが、突然こんなことを聞いてか来た。
ねえ、私キレイ?
さりげなく、胸を寄せてるので、ドキドキする。
き、キレイです。(汗)
うふふ。そんな緊張しないで。
あと、どれくらい歩くんだ?
マイケルが嫌気がさしたように聞く。
うふふ。もうすぐよ。
女性は角矢から離れようとしない。

胸を押し付けてるので、角矢はたじたじしている。

すると、町並みが見えてきた。

キレイな町だった。

着いたわよ。

私はここまでね。残念だけど。

また、どこかで会いましょうね。

女性はウィンクをして去っていった。
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登場人物紹介

角矢

自由気ままに冒険をしているのんびり者。

あるお触れのせいで急いで先に進まないといけなくなる。

ガリー王

角矢が冒険している地域にあるお触れを出す。

それが混乱を招くとも知らずに。

マイケル

近くの酒場で仲間になる旅人。

力が強く、頼りになるが、仲間に厳しい。

マリー

中腹の町で仲間になる女性。力はないが、頭がよく角矢やマイケルをよく支える。

魔法に開花すると、とんでもない能力を発揮する。


角矢が好きになる女性でもある。

ルナ

ある城にとらわれている召喚獣。

主はいないが、主になってくれる人を探している。

角矢が城に来た時、助けてくれたら冒険の共になると申し出る。

ミーシェ

塞がれた道沿いにある海岸で海水浴をしている女性。

とてもキレイな体をしている。

旅をしている角矢たちにマルシーユの町までの案内をしてくれる。


中盤の町で仲間に加わる。(そこから角矢に恋心を抱くようになる)

ローラ

シーサイド城の奥にある村で魔法使いの修行をしている女性。

回復や補助はまだまだだが、攻撃魔法はかなりのもの。


角矢たちは村を見つけるのに、苦労する。

アマルダ姫

ローラの村から北西に行ったところにある城のお姫様。

かなた遠くにあるため、角矢たちは疲れてしまう。

角矢たちをもてなし、泊まることを勧める。

夜に角矢に体を許すことに。


姫でありながら、治癒魔法の腕前と魔力を込めたアイテムを作る名人。

条件を満たすと、一緒に旅をすることになる。

カネル

試練の洞窟で宝を守る門番。強そうに見えるが、角矢たちに宝を渡そうとする。

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