胎内記憶の思想は「あれ」に似ている?
文字数 1,487文字
前回、「言葉が出ません」と言いましたが……。
胎内記憶の支持者が「虐待する親を選んだ子どもは(略)死亡したとしても、それは自らの命をもって命の大切さを伝えようとしたのであり、そうして亡くなった子の魂はより高い段階に進むことになる」という言い方をすることに対してだったわね。
話をまとめやすくするために、これを「虐待死を選んだ子ども」説と呼ぶことにするね。
(補足:ここでせんせいが述べている文言は筆者が要約したものであり、胎内記憶の支持者の記述を引用したものではありません。発言を捏造しているのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんので、元となるテキストをいくつか示します。
『胎内記憶がある子どもたちに、虐待する親でも自分で選ぶのかと尋ねると、…「命の大切さとか知らせたくって。(天に戻った赤ちゃんには)役に立ってうれしいって気持ちがある」などと、話してくれるそうです。』
『つまり、お母さんが成長するために、あえて虐待する親を選んで、「お母さん、成長してね」と、親の成長を祈ってくる子どももいるらしいのです。』
あー……なるほど。
元々ポアというのはチベット仏教の用語で、タントラ密教の中で割と幅広い概念として表れているものだそうなんだけど……かなり難しいけど真言宗智山派のサイトに解説があるから興味ある人は読んでみてね。
その首謀者として認定された元死刑囚の裁判について、東京地裁の判決文が公開されている。膨大だし、読むのが辛い内容だから、すべて読む必要はないと思う。5ページに、元死刑囚(判決では「被告人」)の説法が載っているので、そこを見てみましょう。
「例えば,Aさんという人がいて(略)地獄に堕ちるほどの悪業を積んで死んでしまうだろうという(略)このAさんを,成就者が殺したら,Aさんは天界へ生まれ変わる。(略)生かしておくと悪業を積み,地獄へ堕ちてしまう。ここで,例えば生命を絶たせた方がいいんだと考え,ポアさせた。(略)智慧ある人がこの現象を見るならば,この殺された人,殺した人,共に利益を得たと見ます。ところが,智慧のない人,凡夫の状態でこれを見たならば
『あの人は殺人者』と見ます」