第17話 プラスとマイナス
文字数 1,664文字
弓月はそう言うと、パタっとその場に座り込んだ。
弓月の横に座り込むと、視線に合わせて正面で見据える。
俺はポケットから例のハンカチを手に取り出し、弓月に手渡す。
弓月が浮かべる満面の笑みは、これからが楽しみになるくらい最高のものだった。
思わず弓月の頭を撫でようと、手を伸ばす。
スマホから流れる着信音で我に返り、ポケットから取りだすと、
液晶画面には「皇社長」と表示されていた。
出した手を引っ込めて、立ち上がると電話に出る。
弓月と名取のこれまでの経緯を皇社長に話した。
弓月を見つめながら決意を固く誓う。
小声で頑張れよと社長が言い残し、電話を切られた。