第206話 2/9  その2

文字数 864文字

 夕方。
 なにもできなかった。

 仁義なき戦いの3作目を見終わって、また昼寝。
 夢を見ていた。
 妻とドライブする夢だ。
 よくわからない。

 胃がキリキリする。
 だが、きっとまた今夜も飲むのだろう。

 まあ夜だけ飲んでいるから、まだギリギリアル中ではないのだろう。
 昔、リービングラスベガスというニコラスケイジが主演した映画があって、アルコールしか摂取できなくなった男を観たが、まああそこまでは酷くない。
 ネタバレになるので、このあと読みたくない人は、ブラウザ閉じてください。


 中学生の時にこの映画を見て、色んな死にかたを試してもダメだったから、ああ、これなら楽に死ねるかもと、食事を取らずに死のうとした。
 ただ、違うのは作中の主人公のように、アルコールだけで死んでいくの違い。
 ラストは腹上死。
 なんとも切ないシーンだった。
 でも、試したけど、無駄だった。
 3ヶ月ぐらい意地で、絶食を試したが、なかなか死ねるものではないと思い知った。

 ただ、やはり色々と身体の能力が低下していき、生命維持に力を全振りしている感覚があった。
 性欲が落ち、意識がもうろうとし、肌がカサカサになっていき、排泄の回数もほとんど無くなっていく。

 その時、小児科の医師に入院させられたが、ケンカして、
「もういい。君には絶望した。どこの病院にでも好きに行けばいい。死んでもしらない」
 と捨て台詞を吐かれた。

 僕もその医師には、不信感を持っていたから、縁を切るには良い機会だった。
 この時、今のメンクリの先生に出会っていたら人生は違っていたと思う。
「大人は卑怯だ。義務教育が終われば、みんな子供扱いを辞めて、急に見捨てる」
 そんなことを考えて16歳を迎えた。

 あの時は、本当にこの日まで生きようとか、来月まで生きようと考えていた。
 唯一、養護学校の先生が、卒業しても僕を心配してくれて、お見舞いや家に来てくれたり、文通したり、遊びに連れていってくれた。

 あの人が僕を見捨ててしまったら、きっと僕は死んでいたかもしれない。

 なんか書いていて急にフラバった。

 ではまた!
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