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文字数 290文字
困った顔が
僕をドキドキさせる
うなずく君に
僕は手を添える
冷たい指先は
触れるだけで
壊れそうだった
纏う香りは
僕の心の奥を
さらにどこかへ誘う
手を繋いだら
伝わる温度と鼓動が
重なり合って
何かが始まる予感に
暗くなり始めた夜空で
星が狂ったように瞬く
ただ一緒に
隣に並んで歩くだけなのに
どうしてこんなにも
世界が一変して
煌びやかに見えるのだろう
温度を取り戻した手を
離したくなくて
僕は繋いだままの手を
ポケットへ閉じ込めた
時間よ止まれ
願うが叶うなら
ニヤけた顔を赤らめて
顔を見れずにいる僕に
君は手を握り返して
優しく微笑んだ
伝わる温度と鼓動が
重なり合って
何かが始まる予感に
暗くなった夜空で
星たちは踊り狂って瞬く