第1話

文字数 2,686文字

証言その一。
ある朝、いつもの仕事さきの病院で女性と話していた。それはいつもメールで積極的に攻めている僕にとって、仕事と忘れるくらいのフラグだった。楽しそうに話しを女性陣としていると、うるさそうにある「男」が話しかける。
「あのー俺になにか言うことある?」
それが自爆のプロローグだ
「いえいえ、男を食う趣味はないです。」僕はその「男」にそう答えた。

そう冗談をいうと仕事でこの「男」に話しがあることを忘れ、用事を済ませて、すぐ話しに戻るが、話しは「男」に邪魔されたようで、あたりがくらくなる。しーんとしてしまう、その場をあとにして仕事に戻り、一生懸命にしようとおもうが、恋路を邪魔されるのは勘弁だ。女性患者のところを通り過ぎて、さっきの「男」が暗く何かを話し、モテたくないだのほざいている。思わず声がでる。
「いるんですよね、そういう自信過剰なやつ。」その言葉があとをひくことになろうとは----

そのほざきが僕にむいた、階段の降りたあとその「男」の声がしたのだ。その男は女々しく叫んだ。

「そりゃおまえのことだろ!」
(自信過剰なやつは)
あたりに響くその声は異常なものだった。
(こりゃ看護士に伝えた方がいいな)
強面の看護士に伝えると少し経って、その人から返事が帰ってきた。「お前、最低だな。」

「?なにをおっしゃるのですか?」

「仕事を忘れて、女に嫌われる。お前が言うた叫びも女のもんやったぞ!」

「そんなバカな!あれは確かに男の声だったぞ。どう言うことですか?」

看護士はなにも語ろうとせず、僕を連れ出した。
「院長に話しがあるんやと、こい。」

院長:「君、勝手に女性の連絡先をカルテから盗んだね。」
「でも僕はやましいことは一切してないですよ。それよりさっきの男性はどうなったんですか?」
「彼らかい?君のこと悪く言ってたね。君が気にする事じゃない、だって君は首なんだから。」

「あのー何かの冗談ですよね?」

「あえて言うならあの「男」の性格がきみの醜さを見いだしたようだね。」

僕はあの「男」が自分を悪く言っていたと感じた。あの時、くらくなってた女たちは僕のことで暗くなったんだ。あの「男」がたぶらかして。
「許せない!」

これが僕の証言だ。

あとは勝手に僕がこうではないかと想像した証言だ。

証言その二。
「男」のはなしだが僕がシュミレートしたのはこうだ。
「男」はその出来事をこう話していた。
「あれはわたしに話があると言ってきたのです。」
それは------
その「男」は女と話していた矢先、その看護士(僕)に話しを止められる。なにも気にはならないが、女たちの嫌気を察知し、看護士に「俺に何か言う事ある?」と先ほど目があったので、用事が「男」にある事を「男」は逆に察知する。
「いえいえ、男を喰う趣味はないので。」
「男」はその人(僕)がなにをいってるかわからず一瞬とまどう、するとその人は本当に用事があったようだが、その話を乱雑に終わらせるのが目立った。
終わった後に、女たちと会話をしていると「あいつ気持ち悪いよなー」とその看護士の話題があがる。
「仕事あるくせに女にかまけてなー。」
「男」は女が毒舌なことにこう言った。
「男性に友情を感じないだけじゃない?その考え方のほうがモテないのにあの看護士バカなのかな?」
「お前そこまで考えてんの?怖っ。」
女はそう言うと「男」は
「いやいやおれはモテたくないよ。」
と答えた。
そこに看護士が横を通り過ぎ、ひやっとした時、看護士がこう言った。
「いるんですよね。そう言う自身過剰なやつ。」看護士は「モテない」という言葉に反応した。

しばらく間が抜けて女がこう叫ぶ。

「そりゃお前のことだろ!」
そしてその声が「男」に似ていた、だから「男」が叫んでいるように聞こえた。

しばらくして強面の看護士が「男」に言いよる。「お前、暴れてないやろな。叫んどったらしいやん。」

「男」は看護士にその事を女に言っていいか確認していると、なんでその女に話しかけるか、つまり僕が叫んだと思い込んでイラつきながら聞いてきたので女に指差して「男」がいった。

「この女が叫んだからだよ。」

強面の看護士は答えた。
「ちょっと話しきこか?」

証言その二で僕が言いたかったのは声が女だったとどうしても信じられないのだ。今思えば男はなにもしていないのに。

証言その三。女のはなしだがこう言う事情があったのだろう。
女は連絡してきたことから話し出した。
「あいつ患者という患者に手を出してるらしいんよ。」


それは---
携帯の連絡先に旦那が側にいた。旦那は誰だ?と聞いても、女に覚えはなく、そのハートマークのメールに両者(女と旦那)はいらだった。
そしてそれを機に女はある噂を耳にする。病院で知り合った友達からだ。
あの人(僕)は美人の女の子に目をつけて電話してくるらしいのだ。それはとても印象が悪い。
「私に旦那がいることを知らないのか?」
女はそう思う。
それが次の入院した時にはっきりした。
そいつは「男」を無視して女たちと話している。その人(僕)の仕事の雑さが目立ち、感じが悪かったのだ。「男」をほっておいて私と喋るやつは、女の気持ちをなんだと思っているのか?今話している「男」がヒントをくれた。「男性に友情を感じないだけじゃない?」、その言葉で、僕にやましさを感じたらしい。女の目で見られてる気がしたらしいのだ。
そのとき---ぼくが口を滑らした。
「いるんですよね。そう言う自信過剰なやつ。」

女は僕の台詞で、裏で話しをコソコソ聞いていたのかとムカついて叫んだ。

「そりゃお前のことだろ!」
自身過剰なのは僕だと言うのだ。
この事の顛末に強面の看護士は落胆した。
「アイツそんなことやってたのか!人の連絡さき勝手に聞いて!」
今僕は騙されたと思いこんでいる。
僕が「許せない!」と発していたのが恥ずかしい。
そう言う声が悲しく心に響く。
もう誰のことも信じない。
そう自分に言い聞かせ、自分の誤ちを正そうとしない僕は最後に「男」から嫌味を言いに来られた------「なにがあったんですか?」
「君が僕になにをしたか分かってる?」
本当は彼はなにもしていない。
それは分かっている。

「?」

事情を知らない「男」はこう言った。
「いやなにもしてません。」
ただの自爆によって飛び火が「男」にかかった。「男」は僕を心配そうに見ている。
それでよかったのだろうか?


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