詩小説『天体望遠鏡』3分の小さな物語。全ての若者へ。

エピソード文字数 668文字

天体望遠鏡

坂道でもお構いなしに僕は自転車を漕ぎ続けた。
僕に捕まる後ろの君と体温を分け合った。

丘に停めた自転車置き去りに、僕等は螺旋階段駆け上がった。
寝静まったドームに鳴り響く僕等の足音。

冷たい天体望遠鏡覗き込んだ。

溢れてきそうな星を見上げ、思わず僕は手を伸ばす。
降り注ぐことはなかった。届くはずもない光だった。

やけに近そうに見えた星を、この手で握りしめていた。
掴めるはずだったが手のひら開けば、なにも手にしてなかった。

代わる代わる覗き込んでは、自由に向けては星を追う。
探していたはずのあの星が、きっとこの空のどこかへ在る。

雨は降ってはいないのだが、雨宿りみたいな気持ちでここに居た。
朝が顔を出してしまったら、魔法は溶けてしまうだろう。

この空にある星全てを、このレンズに収めようとした。

星は光は産み落としては、僕にいくつもの夢を見せる。
心のカメラ向けた時には、跡形もなく消えてしまっていた。

名前も知らない星を見上げ、近づき方も知らないで背伸びした。
触れることなど許されはしなかった。触れてしまえば壊れた。

逸れないようにと、消えてしまいそうな、その手強く握り締めていた。
大丈夫、ここに居る。何度も君の名前を呼んだ。

溢れてきそうな星を見上げ、思わず僕は手を伸ばす。
降り注ぐことはなかった。届くはずもない光だった。

やけに近そうに見えた星を、この手で握りしめていた。
掴めるはずだったが手のひら開けば、なにも手にしてなかった。

未だ僕は、空を見上げてる。

星を探してる。
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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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