第2話 告白
文字数 1,527文字
高校2年に進級し、1週間が過ぎたある日。
1年の時に同じクラスで、1年間一緒に室長を務めたパートナーの伊達美波 と廊下ですれ違った時のことだ。
たまたま、周りに誰もおらず2人だけのタイミングだった。
自分は今年A組だが、彼女はC組と別々になったのでクラスで顔を合わせることはなくなっていたのだが、
「あ! 白藤くん……ちょっといいかな」
と話しかけてきた。
「白藤くん。また室長になったんだってね」
「うん。ありがたいことに、みんなが票を入れてくれてね」
「私は……残念ながら、なれませんでした」
「室長になったら、また顔を合わせれると思ったのだけど残念」
とため息とついて、ちょっと沈んだ表情になっていた。
次に、意を決断した感じが伝わってきた直後だ、
「RAIN 交換してもらっても良いかな?」
と聞いてきた。
彼女の人柄や性格も、ある程度は分かっているので、
「いいよ。早速、交換しようか」
と答えて実行し、お互いに「よろしくお願いします」のスタンプを交換しあった。
伊達さんは、とても嬉しそうな表情になっていた。
「ありがとう。今晩、RAINさせてもらうね」
と言って、去っていった。
後ろ姿を見送っていると、黒髪のロングヘアーが左右に揺れていた。
ご機嫌なのが伺えた。
彼女は、少し母性が強く包むような優しい性格だった。
また、綺麗系の美人だったからクラスメイトからも人気があった。
特に男子たちからは。
自分は、女子とはRAINを交換していなかった。
同じ室長であった伊達さんにも交換していなかったくらいだ。
恋愛とは距離を置きたかったので、そうしていたのだが自分でも不思議と今回は素直に『良いよ』と思えた。
『あの優しい感じが、人を安心させるんだろうな』
『そうか。彼女は室長になれなかったのか。とても気がつくし、かと言ってでしゃばらない。でも言うべき時にはちゃんと発言するから、勿体ないな』
と思えた。
*
その夜、風呂もあがってゆったりとしていた時に携帯が短く鳴った。
見ると伊達さんからのRAINだった。
「今日は、突然RAIN交換してってお願いしてゴメンね。でも、ありがとう」
と書かれてあった。
既読になったのを確認したのか、次々とメッセージが続く。
「正直、白藤くんはRAIN交換してくれないと思ってた」
「だって、女子とは誰とも交換していないでしょ?」
「室長だったときにも交換しなかったし、ダメ元で頼んだけど思い切って話しかけて良かった」
『まぁ、そうだったんだけどね』
とは思ったが、こう返信した。
「伊達さんとは、1年間一緒に室長を務めて性格とかもある程度分かっているつもりで、周りにも言いふらさないだろうと思ったからね」
「信じてくれたのね」
と嬉しそうなスタンプまで送ってきた。
「あのね。本当は、ちゃんと面と向かって言わないといけないことだって解っているのだけど……」
とメッセージが届いた後、しばらく時間が空いた。
「でもね。とても直接伝える勇気がないから許してね」
と届いたら、また間が空いた。
「私と今度デートして下さい」
と短いメッセージが届いた。
『……』
『きっと一生懸命、勇気を振り絞ったんだろうな。いや、今日すれ違ったあの時から、ずっとだよな』
伊達さんの今の表情が目に浮かぶ。
『いつまでも美登里さんのことを引きずっていても、先に進めない』
『伊達さんは、あの包むような感じの優しい子だから安心できるし、自分も、そろそろ美登里さんから卒業しないと』
と思い決断した。
「いいよ。伊達さんならいいよ。こちらこそ、よろしく」
と返信した。
次の瞬間、携帯が鳴った。
相手は、勿論伊達さんだった。
「ありがとう。嬉しい」
と泣きながらお礼を言ってきた。
「うん。よろしくね」
と改めて伝えた。
1年の時に同じクラスで、1年間一緒に室長を務めたパートナーの
たまたま、周りに誰もおらず2人だけのタイミングだった。
自分は今年A組だが、彼女はC組と別々になったのでクラスで顔を合わせることはなくなっていたのだが、
「あ! 白藤くん……ちょっといいかな」
と話しかけてきた。
「白藤くん。また室長になったんだってね」
「うん。ありがたいことに、みんなが票を入れてくれてね」
「私は……残念ながら、なれませんでした」
「室長になったら、また顔を合わせれると思ったのだけど残念」
とため息とついて、ちょっと沈んだ表情になっていた。
次に、意を決断した感じが伝わってきた直後だ、
「
と聞いてきた。
彼女の人柄や性格も、ある程度は分かっているので、
「いいよ。早速、交換しようか」
と答えて実行し、お互いに「よろしくお願いします」のスタンプを交換しあった。
伊達さんは、とても嬉しそうな表情になっていた。
「ありがとう。今晩、RAINさせてもらうね」
と言って、去っていった。
後ろ姿を見送っていると、黒髪のロングヘアーが左右に揺れていた。
ご機嫌なのが伺えた。
彼女は、少し母性が強く包むような優しい性格だった。
また、綺麗系の美人だったからクラスメイトからも人気があった。
特に男子たちからは。
自分は、女子とはRAINを交換していなかった。
同じ室長であった伊達さんにも交換していなかったくらいだ。
恋愛とは距離を置きたかったので、そうしていたのだが自分でも不思議と今回は素直に『良いよ』と思えた。
『あの優しい感じが、人を安心させるんだろうな』
『そうか。彼女は室長になれなかったのか。とても気がつくし、かと言ってでしゃばらない。でも言うべき時にはちゃんと発言するから、勿体ないな』
と思えた。
*
その夜、風呂もあがってゆったりとしていた時に携帯が短く鳴った。
見ると伊達さんからのRAINだった。
「今日は、突然RAIN交換してってお願いしてゴメンね。でも、ありがとう」
と書かれてあった。
既読になったのを確認したのか、次々とメッセージが続く。
「正直、白藤くんはRAIN交換してくれないと思ってた」
「だって、女子とは誰とも交換していないでしょ?」
「室長だったときにも交換しなかったし、ダメ元で頼んだけど思い切って話しかけて良かった」
『まぁ、そうだったんだけどね』
とは思ったが、こう返信した。
「伊達さんとは、1年間一緒に室長を務めて性格とかもある程度分かっているつもりで、周りにも言いふらさないだろうと思ったからね」
「信じてくれたのね」
と嬉しそうなスタンプまで送ってきた。
「あのね。本当は、ちゃんと面と向かって言わないといけないことだって解っているのだけど……」
とメッセージが届いた後、しばらく時間が空いた。
「でもね。とても直接伝える勇気がないから許してね」
と届いたら、また間が空いた。
「私と今度デートして下さい」
と短いメッセージが届いた。
『……』
『きっと一生懸命、勇気を振り絞ったんだろうな。いや、今日すれ違ったあの時から、ずっとだよな』
伊達さんの今の表情が目に浮かぶ。
『いつまでも美登里さんのことを引きずっていても、先に進めない』
『伊達さんは、あの包むような感じの優しい子だから安心できるし、自分も、そろそろ美登里さんから卒業しないと』
と思い決断した。
「いいよ。伊達さんならいいよ。こちらこそ、よろしく」
と返信した。
次の瞬間、携帯が鳴った。
相手は、勿論伊達さんだった。
「ありがとう。嬉しい」
と泣きながらお礼を言ってきた。
「うん。よろしくね」
と改めて伝えた。