02. 〈ハバクク書〉第二章:

文字数 1,931文字

私はわたしの望楼(ものみ))に立ち、
  その櫓(やぐら)の上に足を据えて見張をなさん。

*この忌まわしき情勢の成り行きをしっかりと見さだめよう。

それは、神が私に何を啓示せんとするのか、そしてまた
わたしの祈りの結果を人々になんと説明できるかを理解する為に…。

主はわたしの祈りに答えて語られた:


「この啓示を書き記せ、
 これを板上に明らかに表し、走りながらも、これを読めるようにせよ。
 この啓示の内容は、なお遠き定められた時を待つ。
 されどやがてには間違いなく実現する。
 それは偽りのものではない。もし到来が遅くと思われれば待っておれ。
 それは必ず地にて起こる。停滞すること少しもあらず。」

見よ、神を畏れぬものどもの霊魂は邪になり健全さを失う。
しかし、こころ素直なる人は、その確固不動なる信仰によりて生き永らえるべし。

臆病者が事に及ぶにあたり力を借りるのが酒。

[高慢/自信過剰/尊大]なるもまた同じ働きをする。

驕れる者/高ぶる者/慢心する者らに心の安寧などありはしない。

彼の貪欲は満ちず飽きずして、やがては冥府の如くの広さになりゆく。
働きかけて万国を己が元に従わせ、それらの民人を己が僕として徴兵する。
そうされた人々は隠語をもって彼を誹り、嘲笑の喩えにて彼を蔑視するに違いない。

「禍なるかな」
 己に属さないものを蓄財する者よ!。
 いつまでこのようなことが続くと思うのか?。
 あゝ、他人の富を奪い溜め込み、それで己が債務を重くする者よ。

*糞土の如きを宝とみなし、それらを厚く身に負うべし。

 お前に敵対ものたちが、にわかに興らないであろうか?。
 お前を大いに悩ますものたちが覚醒しないであろうか?。
 その時、お前は、今度は彼らに掠め取られるのだ。

 お前は多くの国民から掠め取ったが故に。

 そのもろもろの民の残れる者たちは皆、お前から掠め取る。
 これはお前が行なった流血沙汰による。
 その国、その都市、そこに住める者に暴虐なるを行ったが故…。

「禍なるかな」
追っ手から免れんがため高所に居城を設け、
安心して非道なる手段に勤しみて蓄財にはげむものよ!。

お前は、己が魂にとって「恥」となる謀略を思い立ち、多くの民を滅ぼした。
かくして、お前の魂は罪を取り入れたのだ。
石垣より石叫び、これに城の梁は然りと答えん。

「禍なるかな」
流血をもって町を建て、悪事をもって城を築く者よ!。
見よ、諸々の民は大火の為に、諸々の国びとは虚しきがために疲れはて衰える…。
*お前の町も城も永続はせず。やがてに同じく焦土と化しての幕切れとなる。
これが主の御心によるものであることとは間違いのない話ではないか!。

実に海が水で一杯に満たされるようにして人々が主の栄光を認むべきは地に充ち渡らん。

「禍なるかな」
酒を人に勧め、飲ませて、酔わせて、それの[醜態/痴態/秘所]を見んとする者よ!。
好意に見せかけその実、酒には悪意が混ぜ込まれていた。
お前は誉に飽きることはなく恥辱に飽きることになるであろう。

お前も酒を飲んで、その恥ずべき生来を晒せよ。

主の右の手の怒りの杯は、あなたに巡り来る。
汚なき自らの嘔吐にて、これまでの[栄誉/栄華栄達/]をお前自身が覆うのだ。
お前がこの地でなした[不義/強暴/強奪]の行い、
そして獣をもさえ恐れさせしむる殲滅の技の数々を思い出せ!。
それらの報いはお前の上に還り来るべし…。

これは人の血を流したことに由る。

あの国その都市とこの町と、そこに住むすべての者らに
[不義/強暴/強奪]を行ったからである。

もの言わぬ像に祈ったとていったい何になると言うのだ?!。
お前たちの神は[彫金/鋳物/土塊]の偶像でしかない。
木像に向かいて「目覚め給へ」、石像に向かいて「立ち上がり給へ」。
「我らを救い為へ」と祈念するものは禍なるかな。

これらに何かを知らせる何かができる力はありはしない…。

「見よ」

これは金銀を着せただけの作り物。その中に命の気息は微塵も感じられない。

しかし、主はその聖なる宮に在しまし。

全地はその御前に沈黙せよ。』      


[強意訳:byMe]



つけたり:

しかし現代語訳/口語訳の内容は記号化された文字でしかない。
心で翻訳せず、当たり障りのないように文字に起こしただけ。
権威になびいたものしかやれんのだろ。

そういった意味で、個人で、趣味でやっている自分は気楽だw。

参考翻訳はヴァルガタと文語訳。
でもかなり追加と改稿をしてしまってます。ヨロシコ。

次回最終章。

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