迎える側のあれやこれ
文字数 517文字
「ベネットさん、こんにちは。アークさんから聞いたけど……今日、ザウバーが戻って来るんだって。それでね、アークさんがこの部屋を飾り付けして、二人で迎えてあげたらどうかって」
少年はベネットの手首を掴み、顔を見上げる。
「そうだな。紆余曲折有ったが、漸く再会出来る。暖かく出迎えてやろう」
報告を聞いたベネットは、ダームに部屋へ入る様伝えた。彼女の話を聞いた少年は、浮き足立った様子で部屋に入る。そして、満面の笑顔を浮かべながら、ベネットの方を振り返った。
「アークさんが言うには、自分が料理を用意するから、僕達にはザウバーを驚かせる何かをしてみたらどうかって」
少年は、ソファーに腰を下ろすと、アークから聞いた事をベネットへ伝えていく。
「でね、せっかくだから」
他に人が居ないにも関わらず、ダームはベネットへ耳打ちをした。
「その考えは確かに面白い。それでは、早速準備を始めるとしよう」
ベネットは、そう言うと柔らかく微笑んだ。提案を受け入れられた少年は楽しそうに笑い、それを実行するべく立ち上がる。