第15話

文字数 969文字

ユウヤは身体を重ねてきた。身体を浮かせ、自らのペニスを握り、あたしの陰部へあてがう。割れ目に沿()って、上下に(こす)り付ける。そして、突き立ててきた。でも、入らない。

「処女?」

ユウヤは、驚いた顔をした。そして、すぐに目尻をさげた。

「へー」

ユウヤは、自分のペニスを、ぐいぐいとねじ込んできた。

裂ける痛みが、全身を走る。

「いっ、いっ……」

ユウヤが動くたびに、あたしの口から声が洩れた。
 
「俺が女にしてやるからな。俺が女にしてやるからな」

痛い。とにかく、痛い。棒があたしの身体を引き裂いていくのだ。あたしは、歯を食いしばって耐えた。

早く終わって欲しい。それだけを考えていた。

ユウヤは下腹部をくっつけたまま、『の』の字を描くように腰を動かした。あたしのなかで、ユウヤのペニスが円錐(えんすい)(かた)どって動き回る。

「痛い、痛いっ。お願いやめて」

あたしは懇願した。

ユウヤはやめなかった。

円錐運動は、やがて縦の動きに変わった。ユウヤのペニスが、あたしから出そうになっては、深く入ってくる。そのたびに、ユウヤの身体は、あたしの身体にぶつかる。あたしの身体は、シーツごと枕のほうへあがっていく。

フッ。クッ。
 
ユウヤは、動きながら、ときどき声を洩らした。そして、すぐにユウヤの様子が変になった。

「あー」
 
何かに耐えているような感じだった。

「あー、あー、あ、あ、あっ」
 
ユウヤは、あたしにギュッとしがみついた。
 
あたしのなかで、ユウヤのペニスがピクン、ピクンと痙攣(けいれん)しているのに気付いた。そして、何か熱いものを、その奥に感じた。

射精したんだ。
 
あたしは何となく理解した。
 
ユウヤはじっとしている。
 
重い。
 
ユウヤの身体には、汗が噴き出している。ベトッとして、気持ち悪い。
 
終わった……。こんな形で。
 
ユウヤは、ゆっくりと身体を浮かせて、あたしの頬にキスをし、言った。

「チョー興奮したから、すぐに出ちゃった」

それから、バタッとあたしの横に倒れた。
 
あたしの身体は軽くなった。あたしはすぐに身を起こした。
 
鼻をすすりながら、服を探した。
 
一秒でも早くここを出たかった。
 
一秒でも早く、いまのできごとを(はる)彼方(かなた)の過去のものにしたかった。

「男としての本能なんだ。本能だから、自分ではどうにもできないんだよ……。男なら、みんな同じだよ。な? 分かってよ」

ユウヤは煙草を探しながら言っていた。
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