【番外編】金木犀忌憚(きんもくせいきたん)
文字数 4,458文字
──あたしは棄てられた。それだけはわかっていたの。
生きているか、死んでいるかなんて、あたしには関係無かった。だって、生まれたときから死喰腐鬼 なんだもの。アンデットやゴーストと一緒くたにしないでちょうだい。アンデットに自制心はないし、ゴーストに至っては体すらないじゃない。
……あたしは、リーゼに出会うまでをあまりよく覚えていない。だって、空っぽだったから。基本的に自分からは襲わない、理性があるときは。美学に反するもの。無意識化ではわからないわ。
知っているかしら……。死喰腐鬼 がアンデットに間違われ易い理由。それは本能的な、無意識化しているときらしいわ。理性のない死喰腐鬼 は、アンデットと同じってこと。
……理性があっても同じだったのが、あたしを棄てた村。あたしにも感情ってあったみたい。だって、ムカついたし。ある意味、死喰腐鬼 の中の戦闘民族かしらね。あたしは何故棄てられたか、知らなかった。気がついたときには既に一人で森の中にいたんだもの。
……さて、あなたたちはあたしの話の矛盾点に気がついたかしら? 然程難しいわけじゃないわ。わからないなら、閉じてミステリーでも読んでくれば? オススメは上………。冗談に決まってるじゃない。
仕方ないから教えてあげる。
『あたしは何故棄てられたか、知らなかった。気がついたときには既に一人で森の中にいたんだもの』
なのに。
『狩りになれた頃、彼女は捨てた一族の村にふらりと現れた』
なんて、不思議じゃない? でもね? 嘘じゃないわ。その間にあったことがあまりにベタ過ぎて話す気にならなかっただけ。あたし、ベタなお話って好きじゃないから。
まぁ、暇潰しとでも思って聞きなさい。
………あれは、空っぽなあたしが初めて"服"を着用したばかりの頃だったわ。そうよ、あたしは棄てられたから何も知らなかったのよ……。野生児とでも思っていればいいわ。
死喰腐鬼 だと気がついた冒険者たちが、敵意もないあたしを襲撃しようとしたの。目が見えないからって、油断したのね。もちろん、返り討ちにしてやったわ。……お腹も空いていたし、食べていたら布地が不思議な形をしていたから着てみたの。
リーゼが言うには遠い国の"キモノ"、それも"ユカタ"と言うものらしいわ。
それを見よう見まねで着たら、暖かくて……。ボーッとしてたら、見知らぬ人間の子どもが話し掛けて来たのよ。
「女の子がなんでこんなところにいるの? 」
人間はすぐ、あたしを狙うから警戒して睨んでやったわ。
「……あたし、死喰腐鬼 なの。死にたくなかったらどこかに行ったら? 」
………だけど、その子どもは怖がるどころか、更に話し掛けてきたわ。
「死喰腐鬼 なの? 初めてみた! こんなにキレイなんだね! 」
訳がわからなかった。何でそんな純粋にはしゃげるのか。ただの無知なのか。何も言えなかった……。
「どこから来たの? 疲れてない? うちにおいでよ」
矢継ぎ早に話されて、あたしは初めて戸惑った。初めて……彼の、人間の心配をしたわ。だって、だってあたしは死喰腐鬼 なんだから。
「し、知らない。あたしはずっとここにいたもの……。あたしが怖くないの? 」
あたしは彼の顔なんてわからない。でも、声のする位置から、大体同じくらいの背丈ってことはわかったわ。……彼からは一切、あたしへの恐怖はなかった。子どもだから警戒心がなかったのかもしれないわね。
「怖い? なんで? 今はシュゾツカンサベツはなくなったってお母さんが言ってたし、僕はそんなのあったって、なくったって気にしないよ! だって、同じ子どもじゃない。だからさ、一人でいたらさみしくない? 」
……本当にわかっているのか、やっぱり不安だった。でも、彼は構わず、あたしの手を掴んで走り出したの。………あたしの手は冷たいはずなのに。
◯●◯●◯●◯
彼の家はそんな遠くなかったわ。……周りの大人たちが、ボロボロなあたしを憐れんだ。まさかの、気がつかないってやつ。
「お母さん! 森で女の子が一人でいたから、連れてきたよ! 」
「まぁまぁ! 大丈夫? お嬢ちゃん、"お母さん"と一緒じゃないの? お名前は? 」
……何も知らないんだから仕方ないわ。でも、何だかちょっと胸が痛かった。あたしに、親なんて……いらないのに。
「……名前なんてないわ、あたしは名無しの死喰腐鬼 なんだから」
あたしは棄てられた。だから名前なんてなかった。…………そんなものあっても、無意味だと思ってた。
それから数日間、少年・タクトと彼のお母さんにお世話になったわ。彼のお母さんは言った。
「あなたが死喰腐鬼 なのはわかった。でも、あなたはきっと、特別な死喰腐鬼 なのかもね。……種族間差別がなくなったからと言っても、この村は死喰腐鬼 に脅かされているの。だから、他の人に知られてはダメよ? あの子にもまた、ちゃんと言っておくわ」
……あたしは、早くここから出なくちゃいけないって思った。これ以上いたら、迷惑になる。最悪、………二人を危険に合わせてしまうかもしれないって。でもあたしも、……柄にもなくずっとここにいたいって思っちゃった。若かったのね、あたしも。今も十分、若いけどね。……腐ってるけど。
………ま、そんな日々はすぐに幕を閉じたわ。奴らが、あたしを棄てた死喰腐鬼 たちが、この村を蹂躙しに来たの……。そこら中で悲鳴が上がった。
「大丈夫、大丈夫よ。あなたはアイツらとは違う。ここにいれば大丈夫………」
あたしと少年・タクトを地下倉庫につれてきて、抱き締めてくれた。だけどあたしは知っていたわ、本能的に。奴らは、そんなことしても見つけてしまうって。
……奴らの腐った臭いが近づいてくるのが、あたしにはわかった。
「……ねぇ、おばさん?タクトと隠れていて。何があっても、出てこないで。今までありがとう、さようなら……」
二人を地下室に残して、なけなしの衝立で開かないようにした。……あたしは駆け出した。奴らのいる場所に。少しでも遠くに奴らを連れていって、少しでも被害が減らせるようにね。
「おい! 喰いすぎるなよ! 餌が無くなったら、もとも子もねぇだろ?! 」
「てめぇ! 誰に物言ってんだ?! 喰えるだけ喰って蓄えるって考えねぇのかよ?! 」
「何してんのよ! 話し合いで、個体数決めたじゃない! 」
うん、何かバカばっかり。自分のことしか考えてなかったわね。あたし? あたしはいいのよ、あたしだから。
「……あ~あ、あたしもヤキが回ったみたいだわぁ。あたしがいる場所にのこのこやってくるだなんて、バカね。ホントバカ。どうしようもないくらいのバカよ。……あたしもバカだけどね」
あたしの声に振り向く死喰腐鬼 たち。まぁ、あたしね。まだこのときまで知らなかったのよ。奴らが、あたしを棄てた死喰腐鬼 の仲間だなんてことは。だけど、対峙してみてわかった。本能的にわかった、って感じかしらね……。フツフツと何かが沸き上がったわ。周りは、逃げ惑う人間と食べられてる人間、死喰腐鬼 。あたしはキレイだけど、奴らはそうでもない。きっとそう。ま、見えないものは仕方ないわ。
「あの娘、ヤケに人間じみてるが……。死喰腐鬼 の臭いがするぜ? 俺らの餌場で勝手に荒らしてやがったのかぁ?! 」
人間たちがあたしを蔑み、非難し、畏怖し始めたのを感じた。だけど、後悔はなかったわ。むしろ、清々しかったの。
「あたしがここで何をしていようと、あなたたちに関係あるの? ないわよね? だぁって………、あなたたちがあたしを棄てたんだから! 」
あたしは奴らの中に飛び込んだわ。傷だらけになるのも構わずに奴らを喰い千切って、喰い千切っていった。
人間たちは戸惑っていたわね。共食いだって、青ざめながら叫んでるのもいた。……お互い腐ってるんだから、不味いったらないわよ。
「うるさいわね! 死にたくなかったら、早く逃げなさいよ! 逃げなきゃ、喰い殺すわよ!
人間風情が何喚いてもかわらないでしょうが!あたしはあなたたちなんか食べてやらない! 死にたくても食べてなんてやらないわよ! さっさと消えて! バカなの? 死ぬの? でもやっぱり……あなたたちなんか殺してあげないんだから! 」
パニックになりながらも、人間たちは逃げていった。……そこでぷっつり、意識が途絶えたわ。
目が覚めたとき、喰われた人間の数は同じで、ぐちゃぐちゃになった奴らがいた。多分理性が飛んで殺っちゃったのねぇ、奴らを。
ついでだから奴らの臭いを辿って、忌まわしいあの村も潰してやろうって腹積もりだったのよ、あたし。
……そこで会っちゃったのよね、あたしを棄てた母親に。あの女、あたしの目に気がついて叫んだわ。
「なんでおまえが生きているの!? 目が見えないから棄てたのに! 」
死喰腐鬼 に、生きてるも死んでるもないのにねぇ? あんなバカな女が、あたしの母親だなんで、恥さらしもいいとこだったわ。
ま、でも。感動の再会に水を差されちゃったのよねぇ。
「そのガキの臭い! 狩りに行った奴らの臭いだ! 」
殺したの、すぐバレちゃった。
「仲間を殺すなんて! 」
てゆうかぁ、この一族ってぇ、………自分可愛い一族のクセして、ナカマナカマって騒ぐのよね。いざと言うときは裏切るくせに。
………うるさいから、一撃で引き裂いてやったわ。あんなの、母親じゃないし。
まぁた集られたから、腕振り回して切り刻んでやった。流石に多くてプッツンしたから、気がついたときには屍の山。あたしって、最強かもー? って思っちゃったわ。……意識なかったけど。暴れてお腹空いたから、不味くてもアイツら食べたんだけどね。
……でも、何故かしらね? あたし死喰腐鬼 なのに、目も見えてないのに、目から水が出て止まらなかったわ。母親がどんな顔してたかも、見てやれなかった。
今更どうでもいいけどね……。
◯●◯●◯●◯
はいはい、あたしの話はおしまい。ホント、つまらない話でしょ? 人間守って、同族殺しちゃうだなんて。
◯●◯●◯●◯
──あたしはお姫様なんかじゃない。ただの、赤ずきんに出会った狼。赤ずきんが死にたそうにしてたから、食べる気が失せただけ。
誰かを守るなんて柄じゃないのよ。あたしはあたしがしたいことをするの。
いつか赤ずきんを食べるのはあたしよ。誰にもあげない。あたしだけのリーゼなんだから。
生きているか、死んでいるかなんて、あたしには関係無かった。だって、生まれたときから
……あたしは、リーゼに出会うまでをあまりよく覚えていない。だって、空っぽだったから。基本的に自分からは襲わない、理性があるときは。美学に反するもの。無意識化ではわからないわ。
知っているかしら……。
……理性があっても同じだったのが、あたしを棄てた村。あたしにも感情ってあったみたい。だって、ムカついたし。ある意味、
……さて、あなたたちはあたしの話の矛盾点に気がついたかしら? 然程難しいわけじゃないわ。わからないなら、閉じてミステリーでも読んでくれば? オススメは上………。冗談に決まってるじゃない。
仕方ないから教えてあげる。
『あたしは何故棄てられたか、知らなかった。気がついたときには既に一人で森の中にいたんだもの』
なのに。
『狩りになれた頃、彼女は捨てた一族の村にふらりと現れた』
なんて、不思議じゃない? でもね? 嘘じゃないわ。その間にあったことがあまりにベタ過ぎて話す気にならなかっただけ。あたし、ベタなお話って好きじゃないから。
まぁ、暇潰しとでも思って聞きなさい。
………あれは、空っぽなあたしが初めて"服"を着用したばかりの頃だったわ。そうよ、あたしは棄てられたから何も知らなかったのよ……。野生児とでも思っていればいいわ。
リーゼが言うには遠い国の"キモノ"、それも"ユカタ"と言うものらしいわ。
それを見よう見まねで着たら、暖かくて……。ボーッとしてたら、見知らぬ人間の子どもが話し掛けて来たのよ。
「女の子がなんでこんなところにいるの? 」
人間はすぐ、あたしを狙うから警戒して睨んでやったわ。
「……あたし、
………だけど、その子どもは怖がるどころか、更に話し掛けてきたわ。
「
訳がわからなかった。何でそんな純粋にはしゃげるのか。ただの無知なのか。何も言えなかった……。
「どこから来たの? 疲れてない? うちにおいでよ」
矢継ぎ早に話されて、あたしは初めて戸惑った。初めて……彼の、人間の心配をしたわ。だって、だってあたしは
「し、知らない。あたしはずっとここにいたもの……。あたしが怖くないの? 」
あたしは彼の顔なんてわからない。でも、声のする位置から、大体同じくらいの背丈ってことはわかったわ。……彼からは一切、あたしへの恐怖はなかった。子どもだから警戒心がなかったのかもしれないわね。
「怖い? なんで? 今はシュゾツカンサベツはなくなったってお母さんが言ってたし、僕はそんなのあったって、なくったって気にしないよ! だって、同じ子どもじゃない。だからさ、一人でいたらさみしくない? 」
……本当にわかっているのか、やっぱり不安だった。でも、彼は構わず、あたしの手を掴んで走り出したの。………あたしの手は冷たいはずなのに。
◯●◯●◯●◯
彼の家はそんな遠くなかったわ。……周りの大人たちが、ボロボロなあたしを憐れんだ。まさかの、気がつかないってやつ。
「お母さん! 森で女の子が一人でいたから、連れてきたよ! 」
「まぁまぁ! 大丈夫? お嬢ちゃん、"お母さん"と一緒じゃないの? お名前は? 」
……何も知らないんだから仕方ないわ。でも、何だかちょっと胸が痛かった。あたしに、親なんて……いらないのに。
「……名前なんてないわ、あたしは名無しの
あたしは棄てられた。だから名前なんてなかった。…………そんなものあっても、無意味だと思ってた。
それから数日間、少年・タクトと彼のお母さんにお世話になったわ。彼のお母さんは言った。
「あなたが
……あたしは、早くここから出なくちゃいけないって思った。これ以上いたら、迷惑になる。最悪、………二人を危険に合わせてしまうかもしれないって。でもあたしも、……柄にもなくずっとここにいたいって思っちゃった。若かったのね、あたしも。今も十分、若いけどね。……腐ってるけど。
………ま、そんな日々はすぐに幕を閉じたわ。奴らが、あたしを棄てた
「大丈夫、大丈夫よ。あなたはアイツらとは違う。ここにいれば大丈夫………」
あたしと少年・タクトを地下倉庫につれてきて、抱き締めてくれた。だけどあたしは知っていたわ、本能的に。奴らは、そんなことしても見つけてしまうって。
……奴らの腐った臭いが近づいてくるのが、あたしにはわかった。
「……ねぇ、おばさん?タクトと隠れていて。何があっても、出てこないで。今までありがとう、さようなら……」
二人を地下室に残して、なけなしの衝立で開かないようにした。……あたしは駆け出した。奴らのいる場所に。少しでも遠くに奴らを連れていって、少しでも被害が減らせるようにね。
「おい! 喰いすぎるなよ! 餌が無くなったら、もとも子もねぇだろ?! 」
「てめぇ! 誰に物言ってんだ?! 喰えるだけ喰って蓄えるって考えねぇのかよ?! 」
「何してんのよ! 話し合いで、個体数決めたじゃない! 」
うん、何かバカばっかり。自分のことしか考えてなかったわね。あたし? あたしはいいのよ、あたしだから。
「……あ~あ、あたしもヤキが回ったみたいだわぁ。あたしがいる場所にのこのこやってくるだなんて、バカね。ホントバカ。どうしようもないくらいのバカよ。……あたしもバカだけどね」
あたしの声に振り向く
「あの娘、ヤケに人間じみてるが……。
人間たちがあたしを蔑み、非難し、畏怖し始めたのを感じた。だけど、後悔はなかったわ。むしろ、清々しかったの。
「あたしがここで何をしていようと、あなたたちに関係あるの? ないわよね? だぁって………、あなたたちがあたしを棄てたんだから! 」
あたしは奴らの中に飛び込んだわ。傷だらけになるのも構わずに奴らを喰い千切って、喰い千切っていった。
人間たちは戸惑っていたわね。共食いだって、青ざめながら叫んでるのもいた。……お互い腐ってるんだから、不味いったらないわよ。
「うるさいわね! 死にたくなかったら、早く逃げなさいよ! 逃げなきゃ、喰い殺すわよ!
人間風情が何喚いてもかわらないでしょうが!あたしはあなたたちなんか食べてやらない! 死にたくても食べてなんてやらないわよ! さっさと消えて! バカなの? 死ぬの? でもやっぱり……あなたたちなんか殺してあげないんだから! 」
パニックになりながらも、人間たちは逃げていった。……そこでぷっつり、意識が途絶えたわ。
目が覚めたとき、喰われた人間の数は同じで、ぐちゃぐちゃになった奴らがいた。多分理性が飛んで殺っちゃったのねぇ、奴らを。
ついでだから奴らの臭いを辿って、忌まわしいあの村も潰してやろうって腹積もりだったのよ、あたし。
……そこで会っちゃったのよね、あたしを棄てた母親に。あの女、あたしの目に気がついて叫んだわ。
「なんでおまえが生きているの!? 目が見えないから棄てたのに! 」
ま、でも。感動の再会に水を差されちゃったのよねぇ。
「そのガキの臭い! 狩りに行った奴らの臭いだ! 」
殺したの、すぐバレちゃった。
「仲間を殺すなんて! 」
てゆうかぁ、この一族ってぇ、………自分可愛い一族のクセして、ナカマナカマって騒ぐのよね。いざと言うときは裏切るくせに。
………うるさいから、一撃で引き裂いてやったわ。あんなの、母親じゃないし。
まぁた集られたから、腕振り回して切り刻んでやった。流石に多くてプッツンしたから、気がついたときには屍の山。あたしって、最強かもー? って思っちゃったわ。……意識なかったけど。暴れてお腹空いたから、不味くてもアイツら食べたんだけどね。
……でも、何故かしらね? あたし
今更どうでもいいけどね……。
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はいはい、あたしの話はおしまい。ホント、つまらない話でしょ? 人間守って、同族殺しちゃうだなんて。
◯●◯●◯●◯
──あたしはお姫様なんかじゃない。ただの、赤ずきんに出会った狼。赤ずきんが死にたそうにしてたから、食べる気が失せただけ。
誰かを守るなんて柄じゃないのよ。あたしはあたしがしたいことをするの。
いつか赤ずきんを食べるのはあたしよ。誰にもあげない。あたしだけのリーゼなんだから。