【怪談1】 真夜中の地震

エピソード文字数 580文字

それは初夏の夜更けのこと。


忍者・忠平(ただひら)は、ろうそくの明かりをたよりに書を読みふけっておりました。

そろそろ眠ろう・・・
ろうそくの明かりを吹き消した、その時。
ホーイッ
家の外からが聞こえた。
だれだろう、こんな夜更けに・・・
ホーイ、ホイッ、ホイホーイ

歌っているのか・・・? 人の声のようだが、もしかしたら獣かもしれない。


不用意に戸口を開けるのは危険だな

忠平は耳を澄ました。
ほいほい、ほほーい、ほい!
外にいる何かは「ほいほい」陽気に歌いながら、家の周りをぐるぐる回り出した。

もしや、酔った村の人かな?

ほいほいほ~い
ほいほ~い。どなたですか?
ほいほい!

ガタガタガタ…ーン、ドシーン!!


突然、忠平の家が大きな音を立て、ぐらぐらと揺れはじめた。

じ、地震だ!!

忠平は卓の下へ入って、揺れがおさまるのを待った。


けれど待てど暮らせど揺れが収まる様子はない。

ホイホイホ~イ、ホ~イ!!

家がくずれるかもしれない…。


外の「酔っ払いさん」も、巻き込まれるかも!

忠平は「ホイホイ」と聞こえた縁側の方へ飛び出した。

外に出た途端、家のゆれはぴたりとおさまった。
あれ…?
ホイホイという声も、声の主も消えていた。

参考資料


夜話 かりこぼう:米良風土記1中武雅周 著/鉱脈社2017年5月

 この昔話は、西米良村の民話「少年びっくり」を基にしています。

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登場人物紹介

日高萌栄 (ひだか・もえ


中学2年生、13才の少女。

カピバラをこよなく愛する。

重黒木 鋼じゅうくろぎ・はがね


中学2年生、13才の少年。機械いじりが得意。

椎葉 発(しいば はつ)


中学2年生、13才。

萌栄の友達。花火師の孫。

黒木 殿下(くろき でんか)


萌栄のライバル

那須 雨音(なす あまね)


殿下の友達。

黒木 媛(くろき ひめ)


殿下の妹

日高 結芽(ひだか ゆめ)


萌栄のお母さん

日高 地平(ひだか ちへい)


萌栄のお父さん

日高 雲水(ひだか うんすい)


萌栄の祖父

重黒木 功(じゅうくろぎ こう)


鋼のお父さん

重黒木 理玖 (じゅうくろぎ りく)


鋼のお母さん

椎葉 康次(しいば やすじ)


発の祖父。花火師

黒木 智子(くろき ともこ)


殿下、媛のお母さん。

黒木 未夏 (くろき みか)


クラスメイト

中武 陽(なかたけ はる)


クラスメイト

那須 貴也(なす たかや)


クラスメイト

那須 由子(なす ゆうこ)


クラスメイト

お殿様。


西方の里を治める、お殿様。

南朝の忠臣、その子孫。

忠平(ただひら)


お殿様が助けた忍者。

加藤清正に仕えていたが、毒殺の濡れ衣をかけられ、逃げてきた。

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