愛美側のプロローグ
文字数 429文字
それは愛美が壺に捕まる前の出来事
愛美の自宅玄関の前
あ、おはよう。愛美ちゃん
あ、えっと、あの、その……
お、おはようございます……
またおにーさんにちゃんとあいさつできなかった……
内気で臆病で、そのくせチャンスを逃してから後悔する。
給食のケーキ争奪戦だって、参加できたことすらない。
私も、らぶりんちゃんみたいになれたらいいのに
私が好きな漫画のヒロイン
もしらぶりんちゃんみたいになれば、きっと友達もできるかな
そしていつか、おにーさんとも…………
……って、こんなちんちくりんが相手じゃおにーさんも嫌だよね
……私もおにーさんと同い年だったら、万に一つくらいの可能性があったかもしれないのに。
と、結花おねーちゃんを思い浮かべる。
それならさんじょーの気持ちを確かめてみよう！
へっ？
ごーっ！！
きゃあっ！？
何か、突然強い力で吸い込まれた。
よし、あとはこれをさんじょーに渡せば……
