25

文字数 493文字

「おい、コンニャクでやると気持ちんええぞ」
 と、谷本がうれしそうにハイライトを吹かしながら、白木のアパートで僕と眠にそう言った。
「コンニャクゆうて、どうやっちやるがぞ」
 と、興味津々に僕は聞いた。
「あのにや、コンニャクの中にちょっと切れ目を入れて、そこにチンボを入れるがよや」
 と谷本は、コンニャクでセンズリこく様子を、身振りで実演した。
「そりゃ、めちゃくちゃ気持ちええぞ」
 谷本は今コンニャクにはまっており、寮ではコンニャクを使えないから、もっぱら週末に家に帰ってやっているらしい。
「この前は、おふくろがかってにオレの部屋掃除しよって、コンニャクおいちょたがを見られちよ、コンニャクん部屋にあったけんどなにしよるがぞ言われち、まいったけんにや」
 谷本はよくよくセンズリのことでは、失敗をする。
「しかし、コンニャク買うとき妙に恥ずかしいにや、コンニャクだけはかえんけん、ついでになんか、コンニャクのセットになるようなもんでも買わんと、コンニャクだけこうてレジに出すがわ、ちょっと勇気がいるにや」
 僕は、自分がコンニャクだけを買ってレジに並ぶ姿を想像しただけで、赤面するような思いだった。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み