さようなら、エレメンタルウエーブ

エピソード文字数 2,036文字

 ― イギリス・ソルシティの一角で ―

 ライカンスロープとのラストバトルから3日後、G4がいつものように朝から自宅でうだうだしていると、長男フレディのスマホにドクター・フリックから連絡が入った。用件は、エレメンタルウエーブを解除する装置が完成したということだった。G4はドクター・フリックの研究所へ向かった。

 ― ドクター・フリックの研究所にて ―

 G4は、ドクター・フリックと対面していた。
「ドクター・フリック、エレメンタルウエーブを解除する装置ができたんだって?」
 ブライアンが尋ねると、ドクター・フリックは得意げに話した。
「ほえほえ~、そうなんだす」
「どんなの?僕も見たいなぁ」
 ジョンが興味深そうに言った。
「じゃあ、全員わしとアメリに付いてくるだす」
 G4は、ドクター・フリックとアメリに付いていった。

 とある一室に入ると、人間一人が入れる縦型のカプセルがちょうど四つ置かれていた。
「ほえほえ~、これが『エレメンタルウエーブ解除カプセル』だす。このカプセルに入って解除エネルギーを浴びれば、普通の体に戻るのだす」
 「普通の体に戻る」という言葉を聞き、G4の表情がわずかに曇った。
「ガルーの脅威が消えた今、チミたちにもはやエレメンタルウエーブは必要ないだす」
「もう、能力ともお別れか…」
 自分の両手から少しだけ炎を出すと、フレディが名残惜しそうに言った。
「俺たちに『日常』が戻るんだな」
 ブライアンはさらりと言ったが、その目はどこか寂しそうだった。
「この数カ月間、いろんなことがあったよな」
 ロジャーが柄にもなく静かに話した。
「普通じゃできない体験をたくさんしたよね」
 ジョンも付け足すように言った。
「あの戦いの日々はずっと忘れられない」
 フレディが言うと、弟たちも大きくうなずいた。

 すると、ドクター・フリックが兄弟たちの会話に入ってきた。
「G4のおかげで、ここソルシティに自由と平和が戻っただす。G4、本当にありがとうだす」
 ドクター・フリックが感謝の言葉を述べると、助手のアメリとともにニート四兄弟に拍手を送った。彼女は
「G4、ありがとうでス!」
 と言うと、大きめの花束を見せた。G4全員が、驚きのあまり息をのんだ。兄弟を代表して長男のフレディが花束を受け取った。4人はうれしさが込み上げて、涙をこぼした。

 ドクター・フリックは優しい目でしばらく彼らを見ると、一人一人カプセルに入るように促した。花束をいったん置いて、フレディ、ブライアン、ロジャー、ジョンはカプセルに入った。ドクター・フリックはレバーを下ろしてカプセルを作動させた。
 数十秒にわたってエレメンタルウエーブ解除エネルギーを浴びたのち、G4はカプセルから出てきた。
「ふう、これで本当に『普通のニート』に戻っちまったな」
 そう言うと、フレディは苦笑いした。すると、ブライアンが意外なことを言った。
「いや、俺はもうニートを卒業するつもりだ」
「実は俺も、ニート生活におさらばしようと思ってる」
「僕もそうさ」
 ロジャーとジョンも、気持ちは兄と同じだった。弟たちの言葉を聞いたフレディは、フッと笑った。
「おまえらがそう言うなら、俺もニートはやめたぁ!」
 今までのG4ではあり得なかった発言の数々を聞き、ドクター・フリックとアメリは顔を見合わせてほほ笑んだ。

 ― そして1カ月後 ―

 ソルシティのアクター・トレーニング・センターで、何人かのアクション俳優の卵たちが訓練に明け暮れている。そこにはフレディ・グレイの姿もあった。彼はアパレルショップで働くかたわら、アクション俳優を目指してこのアクション養成所で日々汗を流しているのだ。

 ドクター・フリックの研究所で、ブライアン・グレイがドクター・フリックに指定された物体を運んでいた。もともと理系男子のブライアンは、ドクター・フリックに助手として働かせてほしいと願ったところ、快諾されて現在に至っている。なお、アメリとも何となく「いい感じ」の関係になっている。

 G4がよく利用していたカフェ・トゥアルィズコーヒーで、一人のパート従業員が女性客にカフェオレを2杯持ってきた。
「お待たせ致しました、カフェオレでございます」
 さわやかな雰囲気のイケメン店員、ロジャー・グレイである。彼は常連客のみならず、従業員の間でも人気者らしい。

 ソルシティ内の芸能事務所、ソルプロダクションにて。
「はい、こちらソルプロダクションです」
 びしっとしたスーツ姿の青年が、電話応対をしている。彼の名前はジョン・グレイ。彼は芸能系の仕事を探した末、このプロダクションで事務員として働き始めたのだ。いつか転属になり、よりアイドルに近付けることを夢見ながら…。


 ありがとう、G4! あなた方の未来に幸あれ!


                 ― THE END ―
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