詩小説『三色おにぎり弁当』3分で失恋を癒す。姉御肌な方へ

エピソード文字数 776文字

三色おにぎり弁当

人目をはばからずに泣くなんて思ってなかった。

まだ泪が残ってるなんて、思ってなくて安心した。

女の泪は武器ではあっても、私の泪は惨めなものだと思ってた。

流れる泪は海原には届かない。溜まる髪の毛すり抜けて排水口に吸い込まれた。

たかがババ抜きでも本気で悔しがるほどの負けず嫌い。強がりのお姉さん。

だから私は泪を隠す女。

深夜に商品棚の片隅で取り残さてた、惣菜みたいだ。何割か引きのシールに重ねて、半額までも貼られいる。

なんでも取り揃えているよな、スーパーマーケットみたいな女じゃない。
だからこの小さな胸に、黄色く丸いシールをぶら下げている。まるで勲章にして。

深夜某日アパートに帰宅し、カロリーを気にしつつ、食べるわ半額の3色おにぎり弁当。心が温まるように。

誰彼構わず八つ当たりするようなコじゃないと思ってた。

心も身体もボロボロになると、まさかメイクもお洒落も手を抜き出す女だった。

嫉妬深い生き物だと言われても、いまいちピンとこないのがウリだった。

食べることにも興味を持つ事が出来ず、まさに失恋ダイエット。ブログに綴ろうかと思った。

恋愛相談は受ける方だったのに。つまらない男に愚痴をこぼした。

私はふやけた新宿の母。

薄暗い朝方の空。
まだ物静かなファミレス。
窓には雫が垂れ下がってた。
ひとりでは大袈裟すぎるソファーの上。
少し肌寒い。

ツインハンバーグのBセット。
それからドリンクバー。
やけ食いとやらをしたかった。
胃袋に言い聞かされても。

静かすぎて私の泣き声は響き渡る。
根元だけ黒い髪。
ジャージの金髪ママに連れられて。
男の子は私を見た。
親指を立て、ひとつ頷いた。

いつぶりだっけ? 本気で笑ったの。たいらげるわ。たいらげるわ。たいらげるわ。

たいらげるわ。
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登場人物紹介

主人公はあなたです。それぞれの恋愛模様を『詩小説』で。

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