第43話
文字数 263文字
黒い街を通り過ぎると、山の中腹へ向かうと聞いた。
羽良野先生は、時々くぐもった声や苦しそうな顔などを表面に出していた。
ぼくはその都度。羽良野先生を気遣っていたけど、何か大きなことが羽良野先生の心の中で、強い衝突をしているんだと思えるようになっていた。
枝葉の影がおいでおいでと揺れ動いている。
今はぼくは怖くはない。
死んでいるのかわからない体では、きっと戻ってこれないだろう。ぼくはこの暗い山で明日になったら死体で見つかるんだ。でも、もういいんだ。もうこの黒い街での悪夢のような出来事を終わりにする。
羽良野先生は、時々くぐもった声や苦しそうな顔などを表面に出していた。
ぼくはその都度。羽良野先生を気遣っていたけど、何か大きなことが羽良野先生の心の中で、強い衝突をしているんだと思えるようになっていた。
枝葉の影がおいでおいでと揺れ動いている。
今はぼくは怖くはない。
死んでいるのかわからない体では、きっと戻ってこれないだろう。ぼくはこの暗い山で明日になったら死体で見つかるんだ。でも、もういいんだ。もうこの黒い街での悪夢のような出来事を終わりにする。