第43話

文字数 263文字

 黒い街を通り過ぎると、山の中腹へ向かうと聞いた。
 羽良野先生は、時々くぐもった声や苦しそうな顔などを表面に出していた。
 ぼくはその都度。羽良野先生を気遣っていたけど、何か大きなことが羽良野先生の心の中で、強い衝突をしているんだと思えるようになっていた。
 枝葉の影がおいでおいでと揺れ動いている。
 今はぼくは怖くはない。
 死んでいるのかわからない体では、きっと戻ってこれないだろう。ぼくはこの暗い山で明日になったら死体で見つかるんだ。でも、もういいんだ。もうこの黒い街での悪夢のような出来事を終わりにする。
 


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登場人物紹介

石井 歩。


周囲からは賢い子と言われているが、空想好きな小学生。

石井 歩のおじいちゃん。 ずる賢いようでいつも歩と亜由美を見守っている。

羽良野(はらの)先生。 石井 歩の通う学校の担任。石井 歩を色々と気遣う反面……。

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