13話 ✿ 本命だったのか、義理だったのか。

エピソード文字数 564文字

「花房さんのチョコとカードを見たら、本命だって、分かったから」

 松茸の言葉に、衝撃が走った。

花房さんのチョコ、手作りだったし…
(・・・え?)
カップチョコ、トリュフ、生チョコ、クランチ…食べたら……すっごくおいしくて…

(・・・それ、どれも好きなヤツ! 俺のチョコ、全部、こいつに食われたの!?

カードに書かれたメッセージにも、ちゃんと…。ふまむまままむ!?
蘭々にハンカチで口をおさえられ、じたばたする松茸。これだけ見ると、犯行現場だ。

自供どうも。犯人が分かって私もほっとした。


だが口が裂けても、このことは他言無用だ。


もしおまえがまた余計なことを言いふらしたら、私はおまえのしたことを周囲に話す。


…いいな?

蘭々に怖い顔でにらまれて、松茸はこくこくと何度もうなずいた。
分かったら、さっさと行け
は、はい!
松茸は、泣きながら、駆け足で逃げ出してしまった。
これで、一件落着だな
蘭々は、長い黒髪をさっとかきあげる。

私も子どもだったな。たかがバレンタインのチョコが盗まれたことくらい…。

早くに水に長せば良かったんだ。

一年前のことをネチネチと持ち出して、余計なことに労力を費やしてしまった

…いや、まだ事件は終わってないよ
なに? どうした、銀河の果てまで飛ばされたような顔をしているぞ。

 まだ解決していないこと、とは一体・・・?


 次回、最終回!!

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登場人物紹介

天井 集 (あまい・しゅう)


人生初チョコをもらったのに、幸せでない少年。

花房 蘭々(はなぶさ・らら)


文武両道の優等生。天井にチョコを贈ったが…。

煮貝 杯(にがい・はい)


天井の友人。

バレンタインに、とんでもないチョコをもらう

近松 摩耶(ちかまつ・まや)


野球部のマネージャー。

天井くんたちの同級生

多々良 哲也(たたら・てつや)


煮貝の友人。野球部員。

天井くんたちの同級生

松茸 鶴弥(まつたけ・つるや)


天井くんの同級生。

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