第5話 コントロールを

文字数 591文字

人生を好転させたかったら、「コントロールを手放す」ことだと言われている。つまり、計画的に生きる、より、来たものを受け取って生きる方が楽であるし、スムーズに進む。
とは言っても、「人生は自分が切り開いていくもの」と考えているものには、それだと十全に生きている感覚を得られず、手持ち無沙汰に感じられるだろう。事実、彼もそうである。
だが、YouTubeでは「よく手放した」と褒めてくれている。
『聖書』をこの世界で最も優れた書物と認識している友がいて、彼を導く者と評価してくれているが、その友人によれば彼は極めて「聖書的」な生き方をしているのだという。
「感謝=手放し」であると神託の巫女が告げた。彼はここ数週間、何もかもが有り難くて、何度も頬が濡れている。本当に心から嬉しくて、切なくて、その感激が涙というカタルシスとなる。
と書いていたら、その友人から彼に電話が来た。故に彼は話しながら、キーを叩いている。
気がつくと6 : 06、もう1時間は話しているだろうか。最長は5時間くらい話したことがある。この友人も彼女と以前、SNSで親しそうに絡んでいた。この友人に彼女と交流があるか、尋ねてみようか‥‥
結局、彼は友人に何も聞くことはできず、電話は1時間くらいで終わった。その友人とは2、3時間話すのが常であるから、短い方である。
なんか、愛しく想う心が湧いている。彼女もそうだといいな、そう感じた。
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彼女

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