第6話
文字数 1,073文字
「こいつ、あの男女とばっかいつもいるんだぜ」
ある日、やり玉に挙がったのは私と彼、だった。
「俺も見たことある、よく公園で遊んでるよな」
「えー宮田さんが好きなの知らないの?ひどくない?」
とにかく、敵だらけになっていた。
軒先にずっとふたり並んでいたのを、遅く帰った誰かが見て、獲物を見つけたと思ったらしい。
私は宮田が本当は彼のことを、別に好きでも嫌いでもないんじゃないかと心の端で思っていた。
彼が私を好きだったとして、何をどうすればいいかわからなかった。
好き同士だからつき合う?小学生にとって、それはとてもとても高い、高すぎるハードルというやつに思えたのもあるし、好きの意味が、知識として理解していたつもりのものが急に大きく揺らいだせいで、いじられる的にされるクチのひとつなのはいつもの事であるのに、この日はいつもと同じ事が出来なかった。ただ受け流すだけでよかったのに、ありえない行動をまた起こしてしまった。
「遊んじゃ、なにが悪いか」
「ほんとはつき合っちゃってんだろ?好き好きちゅっちゅ~♪ ってな」
クラス中がわっとなった。
宮田がどこかにいるとはんはんとなくわかった。どんな顔してるか、見る気にはならなかった。でも、つき合ってないのは言わなきゃいけないとも思った。
「つき合ってないし。誰が誰を好きかなんて、みんな知ってんでしょ!」
焦りが自分を動かしていた。
誰が。が、とても酷い言葉と言うことを口にしてしまってから気がついた。その瞬間、自分が嫌われたくないと思っていたらしいと自覚したけれど、すべてはもう、手遅れだった。
「ほら、お前もなんか言えって」
男子が彼にからんだ。彼は何も言わなかったが、こちらを見ようとは、しなかった。
もう遊んでもらえないのか。
なんて、そんな事を頭の端っこのほうで考えることで、何かに必死になって抗っていた。自分の心の中で渦巻いているものがなんなのかわからなくて、だから、
「――――――!」
的が、変わるのが判った。
私のせい以外の、なんでもなかった。
私は、理解らないまま、失恋を自分で味わった。これ以上ない程の酷い傷付け方で。
これが、、初恋だというのなら、なんて不細工なのだろう。
世の中にある『コイビトドウシ』が嘘の固まりにしか、私にはどうしても思えなかった。
これから先、私が誰かに想いを抱くことは、罪にしかならないとも、この日の裏切りに十字架を建てることにした。
自分が一番、この世で自分を大嫌いだと心で叫んだ。
ある日、やり玉に挙がったのは私と彼、だった。
「俺も見たことある、よく公園で遊んでるよな」
「えー宮田さんが好きなの知らないの?ひどくない?」
とにかく、敵だらけになっていた。
軒先にずっとふたり並んでいたのを、遅く帰った誰かが見て、獲物を見つけたと思ったらしい。
私は宮田が本当は彼のことを、別に好きでも嫌いでもないんじゃないかと心の端で思っていた。
彼が私を好きだったとして、何をどうすればいいかわからなかった。
好き同士だからつき合う?小学生にとって、それはとてもとても高い、高すぎるハードルというやつに思えたのもあるし、好きの意味が、知識として理解していたつもりのものが急に大きく揺らいだせいで、いじられる的にされるクチのひとつなのはいつもの事であるのに、この日はいつもと同じ事が出来なかった。ただ受け流すだけでよかったのに、ありえない行動をまた起こしてしまった。
「遊んじゃ、なにが悪いか」
「ほんとはつき合っちゃってんだろ?好き好きちゅっちゅ~♪ ってな」
クラス中がわっとなった。
宮田がどこかにいるとはんはんとなくわかった。どんな顔してるか、見る気にはならなかった。でも、つき合ってないのは言わなきゃいけないとも思った。
「つき合ってないし。誰が誰を好きかなんて、みんな知ってんでしょ!」
焦りが自分を動かしていた。
誰が。が、とても酷い言葉と言うことを口にしてしまってから気がついた。その瞬間、自分が嫌われたくないと思っていたらしいと自覚したけれど、すべてはもう、手遅れだった。
「ほら、お前もなんか言えって」
男子が彼にからんだ。彼は何も言わなかったが、こちらを見ようとは、しなかった。
もう遊んでもらえないのか。
なんて、そんな事を頭の端っこのほうで考えることで、何かに必死になって抗っていた。自分の心の中で渦巻いているものがなんなのかわからなくて、だから、
「――――――!」
的が、変わるのが判った。
私のせい以外の、なんでもなかった。
私は、理解らないまま、失恋を自分で味わった。これ以上ない程の酷い傷付け方で。
これが、、初恋だというのなら、なんて不細工なのだろう。
世の中にある『コイビトドウシ』が嘘の固まりにしか、私にはどうしても思えなかった。
これから先、私が誰かに想いを抱くことは、罪にしかならないとも、この日の裏切りに十字架を建てることにした。
自分が一番、この世で自分を大嫌いだと心で叫んだ。