【オトナノトイキ】Midnight Communication

文字数 737文字


ねえ。いま何してるの。

俺は、お前のこと考えてた。

熱く、強く、お前のことだけ。


今夜は月が綺麗だな。
そっちにも同じ光が届いているだろう。

夜風には、澄んだ新緑の香りがする。
そっちにも同じ風が吹いているだろう。

せっかく四季のある世界に生まれたのだから
たまには風情を味わうといい。

五感を使って、全身で感じてみるといい。
俺と一緒に、感じてみるがいい。


離れていたって関係ない。
想いあえば、ヒトツに繋がる。

いつだって、ココロで抱きしめているから。
いつだって、ヒトツになれる。

ほら、こっちに手を伸ばして。
さあ、一緒に感じあおう。

薄紅色の桜の花びら。お前の唇と同じ色。

新緑の葉擦れの音より、衣擦れの音を奏でたい。

真夏に首筋を伝う汗。火照った体が艶かしい。

秋の夜長は二人の季節。時間を持て余す余裕なんてない。

冬の寒さを耐え凌ぐには、お前の温もりがあれば十分。


ほら、四季はいいだろう。
どの季節も、その美しさに身悶える。

移ろう時間、変わりゆく風景。
ひとときも同じ姿を見せない。

不変の事実はヒトツだけ。
お前の幸せが俺の幸せ。

だから、

これからもずっと一緒に重ねていこう。
ジカン、オモイデ、ココロとカラダ。

これからもずっと一緒に感じていこう。
キセツ、アイ、そしてココロとカラダ。





なあ。会いたくなっただろ。

明日うちに来いよ。


リビングを模様替えしたんだ。
ほんの少しだから、わからないかもな。
だが、どこが変わったかわかるまで、
敏感になって、感じ取ってくれ。


それじゃあそろそろ寝ようか。
しっかり休むんだぞ。

明日は、片時も離してやらないから。
覚悟しておけ。


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