永遠に続く創作世界で――
文字数 2,053文字
あの騒動から一週間後の教室にて――。
「永遠了。あなた、生徒会に入りなさい。それと、勅使河原凛さんも一緒にわたくしと生徒会活動をなさらない? 手取り足取り……うふふっ、色々なところをまさぐって、教えてさしあげますわ♪」
「ちょっと、なに先輩を勧誘してるんですか! 先輩は私と一緒にハートフルな世界征服をするんです! あ、勅使河原凜はどうぞご自由に持ってってください。ただし、返品不可ですからね」
「なんでよっ! あたしは生徒会なんてやりたくないし、その……それに……そんな趣味ないんだから!」
「うふふ、私には権力がありますから……無理やり生徒会に入れることもできるんですのよ?」
……またお嬢様の横暴が始まったか。
「ところで……その、阿佐宮九曜はどうなったんだ?」
次期総理大臣候補なんだから、それこそ権力で俺をどうにでもできそうだが……。あの戦い以来、ちょっかいを出してくることはなかった。
「お父様でしたら、失脚しましたわ。詳しくは水無瀬さんがご存知でなくて?」
「ごきゅごきゅ……ん。阿佐宮九曜が配下を使って私の父を襲ったことは、誰かがリークしたことで露見した。そして、私の父も、何者かが派遣した魔法医によって回復したので今日から公務に復帰した」
ニコニコしている阿佐宮の表情が全てを物語っている気がした。
「……父親というのも、情けないものですね。私と母が絶縁すると言ったら、あんなにうろたえて♪ ついでに阿佐宮本家のおばあさまにお話したら、たいそうお怒りになって……いつになっても自分の母親には頭が上がらないのですね、次期総理大臣予定だった人でも……♪ まぁ、牢屋の中で少し反省すればいいのですわ♪ うふふふっ♪」
これを一点の曇りもない笑顔で言うんだから、お嬢様はこえぇ……。
まぁ、阿佐宮九曜のやろうとしてたことは到底許されることじゃなかったからな……。ちなみに、岩山田は元に戻って、以前より大人しくなっている。
「げへへっ……な、永遠の奴、あのとき、俺のことも大事って言ってたよな……ちっ、……し、しょうがねぇ奴だぜ……へへっ」
なんか岩山田から気持ちの悪い視線が来ている気がするが……あえて気がつかないフリをしよう。さ、寒気がっ。……っていうか、え? 岩山田、この世界の秘密に気がついていないか? うわぁ……なんかしらんが、嫌な気分だ。というか、俺のことそんな熱っぽく見ないで、お願いだから!
デレ岩山田とか世界のどこに需要があるんだっ! 普通、物語の最後にデレるのってヒロインだろ!? どう見ても俺のネット小説はおかしいだろ!
「ま……まぁ……とりあえずはこれでしばらくは安泰なのか?」
なんだかんだであの騒ぎで期末試験は取り止めになってしまった。そもそも校舎が半壊状態で一部のクラスは空き教室に移動しているような状況だ。まぁ、阿佐宮の財力でそのうち元通りになると思うが……。
「あら、世界は広いんですのよ? どこかにこの世界が作り物だと気づいて、あなたの代わりに主人公になろうとする人物が出てこないとも限りませんわ」
「んくっ、んくっ……この世界は広くて曖昧。特に海外となるとどんな突然変異が起こるかわからない……」
水無瀬もドクターペッパーを飲みながら同意する。
……まぁ普通は主人公の周りのことぐらいしか設定とかキャラは考えないからな。そんな物語に関係ない海外のことまで深く考えない。
「……だから、これからまたなにが起こるかわからない。世界中に魔法使いがいるわけだから……ぷはっ」
となると、この世界が作り物だと気がついた海外の魔法使いが俺を亡き者にして主人公になろうとするってこともあるのか? つ、つまり金髪グラマラス美女が俺の命を狙ってきたり!?
「やはり先輩、ここはこちらから打って出て世界征服しましょう。世界の頂点を目指してなんぼですよ。あ、私の世界征服は阿佐宮九曜のようなゴミみたいな世界征服じゃなくてハートフルな世界征服なので安心してください。さ、先輩、私と一緒に世界征服活動に邁進しましょう」
「もうっ、そんなことより真面目に学校生活を送るべきでしょ!」
「私はドクターペッパーを飲めればそれでいい」
「さあ永遠了、生徒会副会長になってわたくしと学園をよりよくしましょう。まずは学園祭を開催しましょう。ずっとやってみたかったんですのよ」
「よくわからないけど、妹子お兄ちゃんのことだぁ~い好きっ☆」
賑やかな仲間たちに囲まれて、俺の――いや、俺たちのエンドレスワールドはますます賑やかになってゆく。たとえ、この先なにがあっても、みんながいれば乗り越えてゆけるだろう。俺も、少しは主人公らしくなってきたしな。
とにもかくにも。
放置したネット小説の中で、俺は今日もフリーダムな仲間たちと一緒に学園生活を過ごしてゆくのだった。
そうだ。この世界は終わらなくていい。
俺はまだまだずっと、それこそ永遠に、みんなといたいから――。
「永遠了。あなた、生徒会に入りなさい。それと、勅使河原凛さんも一緒にわたくしと生徒会活動をなさらない? 手取り足取り……うふふっ、色々なところをまさぐって、教えてさしあげますわ♪」
「ちょっと、なに先輩を勧誘してるんですか! 先輩は私と一緒にハートフルな世界征服をするんです! あ、勅使河原凜はどうぞご自由に持ってってください。ただし、返品不可ですからね」
「なんでよっ! あたしは生徒会なんてやりたくないし、その……それに……そんな趣味ないんだから!」
「うふふ、私には権力がありますから……無理やり生徒会に入れることもできるんですのよ?」
……またお嬢様の横暴が始まったか。
「ところで……その、阿佐宮九曜はどうなったんだ?」
次期総理大臣候補なんだから、それこそ権力で俺をどうにでもできそうだが……。あの戦い以来、ちょっかいを出してくることはなかった。
「お父様でしたら、失脚しましたわ。詳しくは水無瀬さんがご存知でなくて?」
「ごきゅごきゅ……ん。阿佐宮九曜が配下を使って私の父を襲ったことは、誰かがリークしたことで露見した。そして、私の父も、何者かが派遣した魔法医によって回復したので今日から公務に復帰した」
ニコニコしている阿佐宮の表情が全てを物語っている気がした。
「……父親というのも、情けないものですね。私と母が絶縁すると言ったら、あんなにうろたえて♪ ついでに阿佐宮本家のおばあさまにお話したら、たいそうお怒りになって……いつになっても自分の母親には頭が上がらないのですね、次期総理大臣予定だった人でも……♪ まぁ、牢屋の中で少し反省すればいいのですわ♪ うふふふっ♪」
これを一点の曇りもない笑顔で言うんだから、お嬢様はこえぇ……。
まぁ、阿佐宮九曜のやろうとしてたことは到底許されることじゃなかったからな……。ちなみに、岩山田は元に戻って、以前より大人しくなっている。
「げへへっ……な、永遠の奴、あのとき、俺のことも大事って言ってたよな……ちっ、……し、しょうがねぇ奴だぜ……へへっ」
なんか岩山田から気持ちの悪い視線が来ている気がするが……あえて気がつかないフリをしよう。さ、寒気がっ。……っていうか、え? 岩山田、この世界の秘密に気がついていないか? うわぁ……なんかしらんが、嫌な気分だ。というか、俺のことそんな熱っぽく見ないで、お願いだから!
デレ岩山田とか世界のどこに需要があるんだっ! 普通、物語の最後にデレるのってヒロインだろ!? どう見ても俺のネット小説はおかしいだろ!
「ま……まぁ……とりあえずはこれでしばらくは安泰なのか?」
なんだかんだであの騒ぎで期末試験は取り止めになってしまった。そもそも校舎が半壊状態で一部のクラスは空き教室に移動しているような状況だ。まぁ、阿佐宮の財力でそのうち元通りになると思うが……。
「あら、世界は広いんですのよ? どこかにこの世界が作り物だと気づいて、あなたの代わりに主人公になろうとする人物が出てこないとも限りませんわ」
「んくっ、んくっ……この世界は広くて曖昧。特に海外となるとどんな突然変異が起こるかわからない……」
水無瀬もドクターペッパーを飲みながら同意する。
……まぁ普通は主人公の周りのことぐらいしか設定とかキャラは考えないからな。そんな物語に関係ない海外のことまで深く考えない。
「……だから、これからまたなにが起こるかわからない。世界中に魔法使いがいるわけだから……ぷはっ」
となると、この世界が作り物だと気がついた海外の魔法使いが俺を亡き者にして主人公になろうとするってこともあるのか? つ、つまり金髪グラマラス美女が俺の命を狙ってきたり!?
「やはり先輩、ここはこちらから打って出て世界征服しましょう。世界の頂点を目指してなんぼですよ。あ、私の世界征服は阿佐宮九曜のようなゴミみたいな世界征服じゃなくてハートフルな世界征服なので安心してください。さ、先輩、私と一緒に世界征服活動に邁進しましょう」
「もうっ、そんなことより真面目に学校生活を送るべきでしょ!」
「私はドクターペッパーを飲めればそれでいい」
「さあ永遠了、生徒会副会長になってわたくしと学園をよりよくしましょう。まずは学園祭を開催しましょう。ずっとやってみたかったんですのよ」
「よくわからないけど、妹子お兄ちゃんのことだぁ~い好きっ☆」
賑やかな仲間たちに囲まれて、俺の――いや、俺たちのエンドレスワールドはますます賑やかになってゆく。たとえ、この先なにがあっても、みんながいれば乗り越えてゆけるだろう。俺も、少しは主人公らしくなってきたしな。
とにもかくにも。
放置したネット小説の中で、俺は今日もフリーダムな仲間たちと一緒に学園生活を過ごしてゆくのだった。
そうだ。この世界は終わらなくていい。
俺はまだまだずっと、それこそ永遠に、みんなといたいから――。