僕の街にミニスカなんてない。

文字数 905文字

 今の日本の多くの作品では、女子高生は制服のミニスカートを穿いている。そして、階段を上っているときや風が吹いたときなどは必ずと言っていいほどパンチラが起こる。

 しかし、僕の見たことのある限りでは現実でミニスカを穿いている女子高生はいない。僕が自転車で登校していると他の高校の女子生徒とすれ違うが、当然と言わんばかりに膝を隠すくらいの長さのスカートを穿いている。

 僕の通っている高校なんか特別校則が厳しいからパンチラなんて見れるはずもない。

 中にはスカートを巻いて短くしている女子もいるようだが、絵で描かれるような短いスカートにはならない。

 所詮作り物ということなのだろうか。普段はスカートに隠された一枚の薄い布が、ふとした瞬間に見えてしまう。そんな出来事は。

 パンツだけではない、危うい白さが保たれた柔らかそうな太股も、風に揺らされる短いスカートさえも僕の街では見ることができないのだ。

 学校指定のスカートが短かったら、どれだけ僕の高校生活は変わっていただろうか。いすに座るという日常的な動作さえパンチラのリスクを孕む圧倒的なスカートが制服だったら。

 僕は隣の席で座っている女子に話しかけられただけで隠しきれない魅惑的な脚に目がいってしまい会話どころではないだろう。それなのに隣の子はそれに気がつかず、あろう事かいつもの癖で足を組んでしまうのだ。

 組まれた足によって短いスカートが持ち上げられてしまい、無防備に晒されたパンツが僕の視界へと映り込む。僕は思わず釘付けになって見てしまう。それでやっと気がついた隣の子は顔を赤くして組んだ足を元に戻してスカートの裾を押さえるのだ。

 もし制服がミニスカになれば、こんなことが日常的に起こってもおかしくはないだろう。

 しかし、現実とは非情なものだ。学校の大半は長いスカートを採用していてミニスカなんて絶滅危惧種のような存在だろう。

 だから僕はここに綴る。ミニスカの魅力を。周りの女子から送られる白い目を気にせず。

 この短い文章が、たくさんの人に読まれ、巡り巡って自分の学校の制服がミニスカになることを願って。
 (終わり)
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