第2話 竹邸の露天風呂

文字数 1,285文字

程よく
鰻小丼が来た

「ノンアルと鰻ざく追加ね

これは私の奢りね。」

「いいの?

あら、全部払うから好きな物追加したら?

せっかくの観光で後悔するわよ… あとで」

「じゅあ任せるよ」

「オネィサン〜ね…」と何やら追加

どうなっているんだろう、ここは?いや今日は…

とは言え、会話に合間に

謎解きの話しがちょっと見えてきた

「あの靴もね、パパと同じ
喘息のそう…
だから、同じ匂いがするの

もう7年目…

今日が命日

だから今晩付き合って

あれから一人辛かった」

(なんで俺は身の上話聞くんだろう

でも、作り話しにしては

詐欺並みだ。)

「寂しいの … だから

あ …ごめんなさい」

目を伏せたその先

掘りごたつの下のバッグの尻尾にキーホルダーに昭和を感じた

いやメッキが剥げてるから当時もの

「バスガイドね一年で経理に移ったの、もう時代じゃないって。

初恋はバスガイドなんて… もしかしてかなぁ〜」

「勝手に人の人生決めるな!

でしょう… 図星!」

やな奴だ、こう言うのは嫁にしたくない。

それと鰻が不味くなる …

いや、老舗だけあってそれなりに美味しかった


本当に、ご馳走になった


店を出て柳の川沿いの道を歩く

腕に回した右手のリング

上品な perfumeの香り


(人生いい事もあるんだ)

「oops!」

カーシェアは白のアウディ
福岡から回って来たかな、なんでここに?

「此処の重役知ってるの
私の足車に置いて貰ってる〜」

「って?何者よ」

「貴方もね」

リモコンを投げられ

「適当に走って

行きたいとこ言って

ナビに入れるから」

「そうね、ラブホはオススメしない
高いからね 」と大笑いした。

この娘は …

とはいえ、本当に観光案内してくれた完璧な感じに

財閥系の別荘を改装したホテル

フロントでカードを貰い

「貴方は松亭ね、私は梅亭

自由に使っていいのょ

祖母がオーナーだから」

驚きでドキドキだ

ラウンジでロイヤルミルクティに、名物すいっースタンド

カシスの酸っぱさにlemonの香り

「お兄さん達 犬飼っているでしょう、茶系のチワックス」

「そう、実家にもポメ系の犬もいるよ」

「ウチはトイプでピンクなの」

「えっ」

「うっそw」

小悪魔に見たいに、育ちに悪いお嬢だな

「だってpinkはラブなんだもん」

白桃のトルテをセレクトした

さっき食べたばかりだが

「アナザーワールドで別腹」ってね。

***

川湯の様に贅沢に流れる源泉

硫黄に薫りに

キリッとした酸性の湯
直ぐ近くの山の谷間も美しい

そんな露天は竹亭の貸切

湯煙は都合の良し悪しを包みこむように

優しく夕暮れに紅く

「浴衣って妖艶だね」

「そう?良く子供っぽいって言われる〜」

「確かに、ようじ体… 」だっ…
以下自主規制

「なに こらぁ〜✩」

「まあまあ

後で花火やろうか?」

「ウチは子供ぢゃないぞ〜」



伝統の薪オーブンで作るディナーは最高だ

ほんのり桜チップが素敵なハーモニー

国際的な会話も そこそこ素敵なディナーだった。

今宵お楽しみの時

少人数のJazバンド

微かにタバコの匂いが染み込んだテーブルにはマティーニ
もちろんオリーブ抜き

ハイビスカス色のキャンドルが揺らぎ

ときめきも燃える

「初めからカリフォルニアサンライズ頼む人初めて見たよ」

「あら〜 いけないのぉ?」




続く
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