ハレ拘束帯の悲劇

文字数 820文字

ハレから説明するのであれば全ての看護師が悪いのでは決してないのであるがハレがこの入院→隔離→保護室という状況下で最もむごく感じたのは朝食を出す看護師の小馬鹿にした対応だったり、朝ハレが3時頃起きて、早番の看護師にハレの部屋の小窓から、ハレは無機質な部屋の内側にいて何もできないので大きな声で叫んで、「そちら側から小窓のカーテンを開けてください!」と叫んでも、女性の看護師はキッとにらんでバシャン!とカーテンを閉めるという悲しく、意地悪な対応だったりした。当然ハレは不信感が募っっていった。極真空手の暴力看護師も度々登場する。こんな毎日では精神状態は安定するどころかおかしくなってくる、とハレは思った。ハレはとうとう病院で出る食事が食べれなくなった。
ハレはとうとう食事は絶食、でも暴れまくる、ということで拘束帯をされることになったのである。
ハレは拘束帯というものがなんだか全く見当がつかなった。初めて拘束帯をされてびっくりした。拘束帯は精神病棟の拷問、とも言われているらしい。
例の食事をハレが絶食するに至った意地悪なハレを小バカにした看護師がハレの足首から太ももまでをまるでファーストフードの包み紙みたいな薄紙で、そうペーパーでらせん状に巻き始めた。そのうち長い医療用のストッキングをはかされる。包帯がぐるぐる巻かれる。体が大の字で縛られる。きつくきつく縛られた。肌が透ける洋服を選ばれたことも恥ずかしさのあまり屈辱を感じた。排泄するところ管が繋がっている。あとは点滴をする針が腕にさされていた。身体中が管と身動きができない拘束帯で両手両足がお腹が縛られているのだった。
涙が枯れるまで泣いた。優しいお父さんに会いたい。お母さんにも!私が今、このような状態なのを家族は誰も知らない。保護室に隔離されてから面会謝絶だったからだ。

ハレは、「助けて!」と非力な声で涙を流しながら、毎日、毎朝毎晩、蚊の鳴くような声でつぶやいた。
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登場人物紹介

ハレは30代の生まれた時から洗礼を授けられたクリスチャン。5歳年下の夫も結婚後しばらく経ってから受洗。ハレは子供が生まれたら司祭になったらいいな、と夢見ている。ところが実際にはそんな簡単に恵まれるわけでもなく教会コミュニティで奮闘するハレの姿を追っていく。

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