第41話 実害はない7

文字数 383文字

 久しぶりに聞いたせいで、上体反らしの体勢とゴッチャになっていた。
 でも友人の説明で、立った状態で腰から体を二つに折り曲げるような姿勢がイメージできた。
 寝ようとしていてふと目を開けると、妙に細長い人が友人の体をまたいだ状態で立位体前屈の姿勢になり、今にも声をかけようとしてるみたいに両手を口元に当てていたそうな。
 これってもしかして、休日に話し声で起こしてくるヤツ?
 え、そんな前からスタンバってたの?

 さすがにその状態で眠れるほど無頓着ではない友人は、わたしと一緒に床で寝ることになった。

 不明だった怪現象の原因がすべて明らかになり、友人には本当に感謝だ。
 ただ、その原因となったものたちが霊の常識をことごとく覆すフォルムだったので、これが果たして心霊現象なのかどうかはわからずじまいだ。
 いずれにせよわたしはヤツらの姿が見えないので、この家に住み続ける。
〈完〉
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