肆席目 三『頭』旅

文字数 7,953文字

 古典落語「三人旅」には仲の良い三人組が出てまいります、「宿屋仇」も同様でございますな、道中連れ立つには仲が良いに越したことはないのですが、この噺に出て来る三人組は仲が悪いのにも関わらず一緒に旅をしなくてはならないのでございます、それはどのような状況かと申しますと……。


中「よう、正面を見ねぇ、いい夕日じゃねぇか」
右「いや、右を見ねぇ、富士が赤く染まって、そりゃぁ絶景だぜ」
左「いやいや、左を見てみねぇ、波に夕日が当ってきらきら輝いてらぁ」
右「どれどれ、なんでぇ、海なんかどこでも同じじゃねぇか」
左「そっちこそ富士なんてのは他でも見れらぁ」
中「オイ!右だ左だって巻きつくんじゃねぇ!」
右「こりゃいけねぇ」
左「首が三つ編みになっちまった」
中「ほどけ、ほどけ……ふう、右と左で喧嘩してんじゃねぇ、俺たちゃキングギドラだってことを忘れてんじゃねぇぞ」

右「面目ねぇ」
左「だけどよ、『俺達』じゃねぇぜ、俺様がキングギドラなんだ、お前らは付け足しだ」
中「何だと?」
右「聞き捨てならねぇな、これでも食らえ」
左「痛ぇ! 噛み付くんじゃねぇ」
中「俺も聞き捨てならねぇぞ」
左「何だ! よってたかって、ならばこうしてやる」
右「痛ぇ!」
中「腹に噛み付くな! お前だって痛ぇだろうが」
左「いっぺんに噛み付くにゃこうするほかねぇだろうが……だけど確かに俺も痛ぇや」
中「俺たちゃ一蓮托生だ、仲良くしなくちゃいけねぇぜ、だけどよ、腹と言ゃぁ、腹が減ったな」
右「ああ、俺は鰻が食いてぇな、ここらの名物だって言うじゃねぇか」
左「鰻なんざどこでも食えらぁ、せっかく海っぷちなんだ、俺ぁ刺身が食いてぇ」
中「おっと、また喧嘩を始めるんじゃねぇぜ、俺までとばっちりを食っちまうからな……いや、今日は良く歩いたな、さすがに足が棒のようだぜ」
右「そうだな」
左「違ぇねぇ」
馬子「そこの旅のお人、お疲れだんべ、馬ぁやるべぇか」
中「おう、馬くれるのかい? ちょうど小腹が減ってたとこだ」
馬子「生きた馬食うやつがあるけぇ……と思ったけんど、あんれまあ、えかくでけぇと思ったらキングギドラさんじゃねぇか」
右「そう言うお前ぇはだれだい? やけに包帯だらけの野郎だな」
馬子「おらぁ、ミイラ人間だぁ、馬ぁいらんかね?」

左「馬ってこいつか? おいおい、こいつは馬かい?」
馬子「説明が面倒だで、馬で通してるけんども、本当はドドンゴだぁ」

中「そりゃそうだろうよ、こんなにでけぇ馬は見たことがねぇからな」
馬子「ドドンゴに乗りなさらんかね? えかく速ぇでよ」
右「乗ってやらんでもねぇが、いくらでやる?」
馬子「そうさなぁ、一人二百でどうかね?」
左「一人二百って、こっちは一人じゃねぇか」
馬子「冗談言っちゃなんねぇ、三人様だろうに」
中「あのな、俺たちゃ頭は確かに三つだけどよ、体はひとつじゃねぇか」
馬子「あんれ、こないだぺスターさん乗っけただども、二人分下さっただよ」

右「そりゃお前ぇ、あっちは頭が一つで体が二つだろうが」
馬子「それにしても一人分ってのは殺生だぁ」
左「まあ、確かに一人分ってこたぁねぇな、どうだい? 三百で手を打たねぇか?」
馬子「あんれ、キングギドラさんともあろうお人が意外にケチだね」
中「まあ、そう言わねぇでくれよ、ゴジラ最大のライバルとか言われちゃいるが、実は勝ったためしがねぇのよ」
馬子「ははは、そりゃ違ぇねぇだ、よかっぺ、どのみち帰りだ、三百でやりやしょう」
右「ありがとうよ、ときに、ドドンゴってのは随分速いらしいじゃねぇか」
馬子「本気で(はし)るとマッハ1.5だぁ」
左「そいつはすげぇな、人間じゃとてもしがみついちゃいられねぇだろ」
馬子「そりゃそうだ、ドドンゴもたまには思い切り(はし)りてぇだろうけんどお客の身がもたねぇ」
中「俺らなら大丈夫だぜ」
馬子「ああ、確かにそうだ、一丁、試してみるだかね?」
右「おう、やってくんねぇ」
馬子「乗ったらしっかりと掴まっててくだせぇよ……はいや!」
ビュッ!
左「おいミイラ人間、ドドンゴはどこへ行った?」
馬子「今頃はもう宿場についてると思うけんども」
中「初速がマッハ1.5かい? 驚いたな、消えちまったかと思ったぜ」
右「だけどどうすんだよ」
左「もう足が棒みたいになっちまって歩くのは勘弁だぜ」
馬子「なあに、おめぇさま、立派な翼を持ってるでねぇか」

中「あ……それを早く言えよ」
馬子「あんれ、気がついてなかっただかね? 案外抜けてるところがありやすね」
右「余計なお世話だ。乗せてもらってねぇんだから、駄賃はいらねぇな?」
馬子「そうだな、貰うわけにもいかねぇね、だけんども」
左「だけど、なんだい?」
馬子「ドドンゴが先に行っちまったもんで、おらを宿場まで乗っけて行ってもらいてぇ」
中「調子のいい野郎だな、だが、まあ、お前ぇ一人くらいならなんてこともねぇ、乗るがいいぜ」
馬子「ありがとうごぜぇやす、キングギドラさんはどれくらい速いかね」
右「マッハ3だな」
馬子「あんれ、ドドンゴの倍でねぇか、とてもしがみついちゃいらんねぇだ」
左「まあ、安心しな、いきなりマッハ3が出るわけじゃねぇや、その前に着いちまうだろうよ」
馬子「そうかね、それじゃ……おお、高く飛びなさるだね、これはええ眺めだ……あ、キングギドラさん、降りてくんろ、ドドンゴがいたで」
中「おう、確かにいるな、いいぜ、宿場に着いたようだしな、しっかりつかまってろよ……あらよっと」
右「なんだ、道についてるこの溝は」
馬子「ドドンゴが(はし)った跡だんべ」
左「え? そうかい? ああ、確かにずっと向こうまで続いてらぁ」
中「こいつ人を踏みつぶしちゃいねぇか?」
馬子「そんなことぁ滅多にねぇだ」
右「日に三べん位だなんて言うなよ」
馬子「とんでもねぇこった、日にいっぺんあるかないかだ」
 丁度夕暮れ時とありまして、宿場町では泊り客の争奪戦がにぎやかに繰り広げられております。
客引「おじちゃん、宿は決まってるのかい? うちに泊まっておくれよぉ」
中「なんだ、子供の客引きかい? 普通は女が引くもんだがな」
右「まあ、人間じゃ俺らの袖どころか草鞋の紐も引けねぇだろうからな……おう、よく見りゃカネゴンじゃねぇか」
左「怪獣専門ってわけだ」

客引「ねぇ、泊っておくれよ、おいら腹が減って腹が減って」
中「なんだ、飯もちゃんと食わせてくれねぇのか、おめぇんとこは」
客引「おいら、金しか食わないから……」
右「文字通り金食い虫ってわけか」
客引「虫じゃなくて怪獣だい」
左「ははは違ぇねぇ、こりゃ悪かったな、よし、詫びのしるしに泊ってやろうじゃねぇか……それからこいつはおめぇにだ」
客引「わぁ、ありがとう……あれ? これ、一文銭だね」
中「おうよ」
客引「これくらいじゃあんまり腹の足しには……」
右「文句言うねぇ」
客引「ああ、そういえば、おじちゃんはゴジラに勝ったことなかったもんね」
左「あれっ、こいつ、遠慮がねぇなぁ」
客引「ここだよ、キングギドラのおじちゃん、

をありがとう」
中「いちいち言いふらしやがるなぁ」
番頭「これはこれはようこそお泊りで、お~い、三人さんお上がりになるよ」
右「三人? 一人だろう?」
番頭「そこんとこが難しい……こないだのペスターさんはお二人ってことでお願いいたしやしたが……フォッ、フォッ、フォッ、フォッ……」
左「その声は……おめぇ、人間に化けてるが、さてはバルタン星人だな?」
番頭「おや、良く見抜かれましたな」
中「そりゃそうよ、バルタン星人っていやぁ名が通ってるぜ、油断ならねぇ奴だってな」
番頭「そいつは心外ですな、確かに昔は地球侵略を企んでましたがね、今じゃ心を入れ替えて正直を旨として真っ当に働いてるんですがな」
右「そうか、そりゃお見それしたな、まあ、同じ宇宙から来たもん同士ってことで勘弁してくれ」
番頭「へいへい……お~い、おみ足をすすぎ……って、人間の女じゃいつまでかかるかわかりませんな」
左「いるのかい? 女の怪獣が」
番頭「へぇ、女の怪獣は少のうございますがな……ラゴンや、ラゴンや」
ラゴン「は~い」

中「ほう、お前さんがラゴンかい……もっとも、ぱっと見じゃ男か女かわからねぇけどな」
右「失礼なこと言うもんじゃねぇよ、ちゃんと胸が膨らんでるじゃねぇか」
左「ああ、本当だ……」
ラゴン「良いんですよぉ、乳がなきゃ男か女かわかりませんものね」
中「悪かったな、ああ、いい気持だ、宿屋について足を洗ってもらうのは旅の楽しみのひとつだな……時に番頭さん、このうちにゃ呼ぶと夜来てくれるような女はいるかい?」
番頭「……(ラゴンの方へ向けて目配せ)」
右「え?……こいつが?……いや、今のは聞かなかったことにしてくんねぇ」
左「ときに番頭さん、夕飯はなんだい?」
番頭「へい、何なりとご用意いたしますが」
右「俺ぁ、鰻が食いてぇな、ここらの名物だって言うじゃねぇか」
左「いやいや、せっかくの海っぷちだ、生きのいい魚、刺身が食いてぇな」
中「また勝手なこと言いやがって、腹はひとつだってこと忘れんじゃねぇぞ……俺ぁ生魚はちと苦手なんだ、塩焼きってのはどうだ? 鯨かなんかの」
番頭「鰻に刺身に鯨の塩焼きでございますか、ちとスケール感にばらつきがおありのようで……」
右「スケール感? この噺にゃそんなもの最初からねぇんじゃないかい?」
番頭「それではこの噺をお聴きになるお客様の頭に浮かぶイメージと言うものが……」
左「だからよ、そのイメージの限界に挑戦していただこうって寸法よ」
番頭「そうですかぁ?……本当ですか?」
中「まあ、そういうことにしといてくんねぇ」
番頭「でしたらあたしも本性を現すといたしやしょうか……フォッ、フォッ、フォッ、フォッ」

右「おう、その姿とサイズの方が話がしやすいや」
番頭「お食事の方ですがな、人間に出す分とは量が違いますので三分の一づつと言うことでも構いませんが」
左「おう、そうしてもらいてぇな、頭は三つでも腹はひとつなんでな」
番頭「鯨の方は丸焼きではなく半身と言うことでも?」
中「ああ、それで構わねぇぜ」
右「それから酒なんだけどな、三人ともいけるクチなんだ」
番頭「上酒を三樽と言ったあたりではいかがで?」
左「おう、それでいいぜ」
中「それからよ、せっかくの大きな宿場だ、芸者に幇間なんてのは呼べるかい?」
番頭「はいはい、お呼びいたしますよ」
右「じゃ、頼んだぜ、酒の前に風呂にへぇりてぇんだが、この通り俺らにゃ腕ってもんがねぇんだ」
番頭「なるほど、不自由でございますな、普段はどのように?」
左「お互いに口にぬか袋を咥えて洗いっこだ」
番頭「なるほど……でもお背中はそれで届きますか?」
中「背中はこの二本のしっぽがあらぁ」
番頭「ああ、なるほど」
右「でもよ、やっぱり口だのしっぽだのじゃ上手く洗えねぇや、三助なんか頼めるとさっぱりするんだがな」
番頭「承知しました、ご用意いたしましょう」
左「頼んだぜ」

三助「ええ、三助のお呼びはこちらでしょうか」
中「おう、こっちだこっちだ……誰かと思えば、ジャミラじゃねぇか、確かお前ぇは水には弱いんじゃなかったか?」
三助「へぇ、水をかぶると溶けてしまいますんで」
右「そんなんで三助やっても大丈夫かい?」
三助「へぇ、ですんでゴム長とゴム手袋で備えております」
左「なるほど、準備は万端ってわけだ、じゃ、すまねぇがやってくんねぇ」
三助「へぃ……こりゃぁ大きな翼でございますね」
中「そうだろう? 自慢なんだ」
三助「あっ、動かさないで! しぶきがかかるっ」
右「おっとすまねぇ……しかしなんだね、お前ぇ、一番向いてないことやってるんだな」
三助「これが本職じゃないんですよ、普段は風呂焚きでして」
左「なるほどな、そっちはうってつけだ」
三助「へぃ、熱くて乾燥してればしてるほどあたしにゃ快適でして……こんなところでいかがで?」
中「ああ、いいぜ、さっぱりした……ちったぁ濡れたろう? 早く釜の前に行って乾かしねぇ」
三助「へぇ、ありがとう存じます……」

中「ああ、いい湯だったじゃねぇか」
左「そうだな、ちっと三助に気は使ったけどな」
右「番頭さん、酒肴はまだかい?」
番頭「相済みません、何分量が多ぅございましてフォッ、フォッ、フォッ、フォッ……」
中「そうかい、時に、今日は歩き疲れて脚が棒なんだがな、酒肴の用意ができるまでで良いんだがな、按摩さんは頼めるかい? どうだ、俺の脚を揉める按摩はいるかい?」
番頭「へぇ、おりますですよ、見るからに按摩に向いてそうなのが」
右「それはどんな奴だい?」
番頭「へぇ、いつも腰を揉むような手つきをしてるやつでして」
左「わかった! ガラモンだな!」

 ガラモンに脚を揉んでもらってだいぶ楽になって来たころでございます。
番頭「夕餉の準備が整いましてございます、お酒の方もおひとり様……じゃなくておひと頭様にひと樽づつご用意いたしました」
中「おうよ、こいつはうまそうだ、ご苦労だったな……おお、ちょうど芸者が来たみてぇだな」
芸者「こんばんわぁ」
中「なんだ? 人間か?」
芸者「化けてるんですよ、地球の男たちと来たら若くてきれいな女を見れば鼻の下を伸ばすんでねぇ」
中「俺も宇宙怪獣だからな、美人の基準も地球のもんとは違うぜ、本性を現してもらえねぇか?」
芸者「ようございますよ……これでいかが?」

中「おお、お前ぇはピット星人だな? 美少女宇宙人って有名だぜ」
芸者「おや、よくご存じで、さすがキングギドラさんだねぇ、でもこの歳になって美少女ってのも照れ臭いよぉ」
中「ちょいと年増になってもイケてるぜ、却って色気があっていいや……ときにお前ぇ、三味線弾くのか?」
芸者「稽古したんだよう」
中「普通の三味線とは違うみたいだが?」
芸者「この大きさの三味線に張れる猫皮はないからねぇ」
中「確かにな」
芸者「そうさ、だからこれはソリッドボディのエレキ三味線なんだよ」
中「エレキって、お前ぇ、この時代にはまだ電気が……」
芸者「あたしには下僕がいるのをお忘れでないか?」
中「あ、エレキングか」

芸者「そうだよぉ、一つ陽気にかき鳴らすよ」
中「おう!」
幇間「こんつぁ、お座敷はこちらで……よっ、ギドラの旦那、相変わらずお強そうですな」
中「おう、遅かったじゃねぇか、お前が幇間だな? 俺ぁ今ノリノリなんだ、人間サイズじゃ踏みつぶしちまうぜ」
幇間「くわばらくわばら、それじゃあたしも失礼して本性を露わして巨大化を……」

中「おう、ダダだったか! お前ぇ、なんだったか、芸があったよな」
幇間「へい、三つの顔を使い分けられます」

中「そうだった、そうだった、だけどそいつは戦闘には何の役にも立たねぇな」
幇間「実はそうなんで……元々の戦闘能力もあんまり高くありやせんで、人を化かすことなら……」
中「なるほどな、幇間にゃ持って来いってわけだ」
幇間「そうなんで……ひとつ陽気に行きやしょう」
 飲めや歌えや、そして踊れやの大宴会が始まります、するってぇと……。
客「お賑やかなことですな」
中「おう、うるさかったかい? すまねぇな」
客「いえいえ、あっしも賑やかなのは大好きでございまして……何しろあっしはギャオスでございますからな」

中「そいつは良いや、良かったら一緒に飲んで騒いでくんねぇ」
客「そりゃもう、騒がしいってことにかけちゃ人後に、いえ、怪獣後に落ちない性質でして、存分に騒がせていただきやす」
中「おうよ! 思いっきり騒ごうじゃねぇか」
 ってなわけで、ギャオスまで加わった大騒ぎ、ですがギャオスの武器は超音波メス、羽目を外しますとついついそいつを発射してしまうんでございます。
 超音波メスが隣の部屋のふすまを突き抜けますと、ふすまがガラリと開いて現れましたのは大魔神でございます。

隣客「楽しんでいるところ水を差してすまない、しかし今超音波メスが飛んできたのだが」
客「あ、そいつは申し訳ありやせん、ついつい調子に乗りやして……もしやお怪我を?」
隣客「いやいや、それは大丈夫なのだが、さすがに騒がしいし危なくて眠れん、もそっと静かに願いたいのだが」
中「それは申し訳ありやせん……おい、ピット星人、ダダ、それにギャオス、この辺りでおひけにしようじゃねぇか」
隣客「そうしてもらえるとありがたい、いや、お楽しみを邪魔だてしようと言うわけではないのだが、明日も早いのでな」
中「へい、あっしらもそろそろ休みますんで」
左「お騒がせしてすみませんでしたな」
右「では、おやすみなさい……」

芸者「せっかく盛り上がってたのにもうお引けですか? なんだかつまんないねぇ」
中「まあ、そう言うな」
芸者「でも、キングギドラの旦那、そりゃ大魔神も強いでしょうけど、旦那くらい強い怪獣もいないんじゃないですか? それが何だか借りてきた猫みたいに大人しくなっちまって……」
中「いや、どうもあいつは苦手なんだ」
幇間「でも憤怒の魔人にはなっていやせんでしたぜ、スサノオノミコトみたいな姿であんまり怖くもありませんでしたがな」
右「そうよ……だが、どうもあの姿と太刀を見るといけねぇや、首を切り落とされそうな気がしてな」
幇間「それはいったいどういったわけで?」
左「どうも先祖の記憶が残ってるみたいでなぁ」
幇間「ご先祖と仰いますと?」
中「八岐大蛇ってんだ」


 お後がよろしいようで……。
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