第1話 バツの少年って - 0

文字数 630文字

 俺の名は人呼んでバツ。罰野(ばつの)場継(ばつ)。体力・知力共にいたって普通の高校一年生だ。
 だが、普通じゃない特徴が一つ。それは外見だ。と言っても服装がド派手だとか変てこりんだとかではない。
 顔だ。でも超ブサメンだとか超イケメンだとかでもない。自分的基準では、まあまあそこそこ普通であろうとは思っている。なんなら(ちゅう)(じょう)くらいには。まあ、あくまで自分的基準での話だが。

 俺の外見の特徴。これは誰でもひと目で分かる。
 それは顔に貼り付いたバッテンマーク! 赤いバツ印が顔の真ん中にくっ付いている。今までに色々と試してはみたけれど、どうやっても絶対に取れない。完璧に取れないっ。どーーしても取れないっっ!

 バツ印は、幅二センチ、長さ三十センチ、厚さ五ミリほどの板状の物体が交差して、顔に沿って(ゆる)い曲面を(えが)きながら目と目の間を中心に、丁度メガネを掛けているかのような感じでアルファベットの『X』みたいにくっ付いている。なんだそれ? って感じですが。ホント、なんだよコレ……。顔が洗い辛いんですけど。

 でも不思議! このバッテンマークを誰かに見られても、みんなそんなに驚かない。反応的には多少変わったメガネを掛けているかも? って程度に感じる。ってか無関心?
 何でだよ! おかしいじゃないか! 顔に赤くてでっかいバッテンマークだぞ? 俺はおかしいと思うぞ! いや、俺がおかしいのか? 不思議……。




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