美鈴(ベル)の完璧な世界㉙〈最終話〉
文字数 3,924文字
「アサヒ、あんた、ベルっちの家にプリントを持って行ってくれない?」
「今まで私たちが持って行ってたんだけれどね、よかったらアサヒちゃんからも」
って、帰り際にエリカちゃんとメイちゃんから頼まれた。
ベルさんのお休み中に配られたプリントはエリカちゃんやメイちゃんがベルさんの家に運んでいた。あの日の件についての説明のお手紙もその中に入っていて、「子どもたちの心について、学校でも注意深く見守っていきます。ご家庭でもお子さんの心に寄り添った対応をお願いいたします。不安なことは学校にご連絡ください、学校と家庭が協力して子どもたちの成長を見守っていければと思います」みたいなことが書いてあったっけ……家で読んだよ。
「ベルっちは、あんたをうちらのグループに巻き込んだことで、嫌な思いをさせたんじゃないかって気にしてる。だから、あんたの顔をみれば安心すると思う」
「だから、ね」
わたしが行っていいのかな? って言ったら、「いいのいいの」「むしろ行かなきゃ」って今日の分のプリントを渡されたので、帰り道、みどりさんと別れたあとでわたしはベルさんのマンションに寄った。みどりさんはわたしが持っているプリントを何か言いたげに見ていたけれど、結局何も言わなかった。わたしもどうしたの? とは訊かなかった。だってこのプリントをどうするかは、わたしが決めて良くって、どうするかを決めた上で受け取ったんだから。みどりさんは友だちだけど、わたしが決めたことにみどりさんの「気持ち」を割り込ませるのは「違う」気がしたから。マンションの前までサラちゃんも一緒だったけれど「今日はアサたんひとりで行くほうがいい気がする~。頑張ってね~」ってわたしを置いて先に帰った。
ベルさんの部屋番号はエリカちゃんとメイちゃんが教えてくれていたので迷わなかった。エントランスのインターフォンを鳴らして名乗ったら、出てくれたのはベルさん本人で「今からそっちに行くから待ってて」と返事があった。しばらく待つとエレベーターからベルさんが手を振りながら降りてきた。ベルさんの姿を見て、わたしはびっくりした。ベルさんは長い髪をスパッと切り、前髪を長めに横に流したショートにして、信じられないくらい大人っぽくなっていたから。そして流した髪でさり気なく隠すようにした頬に、みどりさんがつけたひっかき傷の跡があったから。
「べ、ベルさん、髪……!」
「うん、切ったの。似合う?」
「あ、あの……ほっぺ!」
「ああ、大丈夫。これはもう消えそうだし」
え、ええ……こんなにしっかり傷がついてしまっていたなんて……この傷はちゃんと完全に消えるのかな? って心配になったらめちゃくちゃ変な表情になった。そんなわたしをみて、 ベルさんはフフッてなった。
「この傷、ママ……親は大騒ぎしたけれど、正直そんなに大したものじゃないよね。それなのに誰にやられたってしつこく訊くから、誰にやられたのでもでもない、転んでついた傷だ、って言ったらそれがきっかけで喧嘩になっちゃった。髪もね、切らないで、って親が言うのを押し切って美容室に行って、めっちゃ垢抜けたと自分では思うんだけれど、やっぱり喧嘩になって。そんな感じで色々あって、学校のことを考える余裕がなかったんだ……。でももう大丈夫、そろそろ学校に行くわ――。ああ、それから、『ベル』っていうのはもうおしまい。『プリンセス』なんてもう恥ずかしいし。わたしのことは普通に名字か名前で呼んで」
え……。
1年生のときから「この人はベルさん」でやってきたから、いきなりそんなことを言われても、なんて呼んだらいいか分かんない。分かんないから、この話はとりあえず「ベルさん」のまま続ける。けれど、ベルさんの話や雰囲気から、ベルさんの世界に何かがあったんだってことはわかった。だってベルさんはずっとこう言っていたじゃない? 「わたしのママは、ほんとうはわたしの名前を「ベル」と読ませたかったの、プリンセスの名前だから……」って。
わたしからプリントを受け取ったベルさんは「ありがと」とほほ笑んで、こう誘ってくれた。
「以前土管トンネルがあった公園まで行こうか? 男子が『ドラ公』って呼んでた公園。ここからすぐだし、アサヒちゃんちの方向でしょう?」
わたしたちは「ドラ公」までの道を歩いた。
秋というにはまだちょっと暑い午後の日差しの下を。暑いけれども確実に日は短くなって、まだ午後3時半くらいなのに何となく夕方の雰囲気がある。「そういえば、ここ数日で蝉が全然鳴かなくなったね」って、ベルさんは街路樹を見上げてつぶやいた。「学校に行ってない間も時間は流れているんだね、当たり前だけれど」って。公園に着いたところで「ちょっとだけ話をしない?」ということになって、わたしたち二人は並んでベンチに座った。
低学年くらいの子たちが水鉄砲で撃ち合いをしているのを眺めながら、ベルさんは学校を休んでいた間のことを話してくれた。
「休みが続いて心配をかけてごめんね。って言うか、あの時はありがとう、助けてくれて。みどりさんを止めたアサヒちゃんは本物のヒーローだね……。みどりさんに立ち向かって、でも最後はみどりさんのことを助けたアサヒちゃんを見て、心がギュッとなったよ。
「あのね、先日先生がうちに来てくれて、少し話をしたの。みどりさんとのことを色々訊かれた。先生はみどりさんとわたしの間に何かあったんじゃないか、って思ってた。
「『何か』そうだね。わたしはあの日あの瞬間までは、みどりさんと正面からぶつかって喧嘩をしたことはなかった、みどりさんの悪口も言ったことはなかった。でも、わたしがあの日ああなった原因のひとつだというのはわかる。わたしは確かに、ああなっちゃうようなことをしたんだ、自分でやる代わりに周りの皆にやらせたんだって。そのせいでアサヒちゃんにも嫌な思いをさせてしまったよね。……だからわたしは、ちょっとだけ話した。わたしがみどりさんのことをどう思っていたか、わたしがみどりさんのどんなところを受け容れられないかを少しだけ。
「そうしたら先生はこう言ったわ。『別にあなたはみどりさんと仲良くしなくていい、仲直りなんてしなくてもいい。でも、相手がそういうものだということ”だけ“を受け容れて、互いに傷つかないようにしていけばいいんじゃないかと思うわ』って。先生がそう言ってくれてわたしはホッとした。だって無理だもん、あの子と仲良くするなんて。ごめんね、アサヒちゃんの友だちのことを悪く言っちゃって。でもこれが正直な気持ち。わたしはあの子のことが嫌い。
「わたしはわたしがみどりさんにしたことを謝れないし、仮に向こうが謝ってきても許せない。みどりさんも同じことを考えていそうだよね。たぶんわたしたちは分かり合えないし、許し合わないまま、関わり合わないまま、半年後に卒業したらサヨナラ。互いの人生からいなくなるの。でもね」
でもね、と言って、ベルさんは少し考え込んだ。次に続ける言葉を言うか言わないか、悩んでいるな、ってわたしは思った。ベルさんはしばらくおいてから「うん」と自分自身に何かを確認するかのようにつぶやいた。そしてこう言った。泣きたいような、でもわたしは絶対そうする、って気持ちがこもっているように聞こえる声で。
「この先、みどりさんみたいな人に出会った時は、わたし、同じことは繰り返さない。その時のわたしはあの時のわたしとは違う、新しい別のわたしよ」
わたしは「そうだね」って頷いた。それでいいんだってわたしも思ったから。先生が「みどりさんと仲よくしなさい、仲直りしなさい」ってベルさんに「言わなかった」理由も何となくわかる気がした。仲良くするのも、仲直りするのも無理な時ってある。うちのおばあちゃんやお父さんのきょうだいがそうだった、と思う。分かり合えないとき、分かり合うのが無理ってとき、そういうことを頑張れないときや、頑張れない、頑張っても意味がない相手……こういう場合はやり過ごすしかない。そういうのってある。いつでも、誰にでもあるはず。そういうときはしょうがない。先生はちゃんとそれをわかってくれていて、「みんな仲良しでなくてはいけない」なんてきれいごとは言わなかった。
でも同時に「しょうがなくない」。今回みたいなことを繰り返していいわけがない。分かり合えなくても、 今回とは違う行動を選んでいかなくちゃならない。
それはなんて難しいんだろう、複雑なんだろうって思う。でもベルさんはその難しさと複雑さを引き受けようと決めたんじゃないか、これまでのベルさんとは違う新しいベルさんとして……ってそんな気がした。
「ごめんね、長話をして引き留めちゃって」とベルさんが立ち上がった。「今日はアサヒちゃんと会えて嬉しかった」「大変なことに巻き込んじゃって、嫌な思いをさせちゃってごめんね、もう困らせないから」「じゃあね」って手を振って。
わたしは、何かを言わなきゃ、と思った。何か、何か、何かを。わたしにもサラちゃんみたいな喋りの力があればいいのに――!!
「美鈴さん!」
わたしは立ち上がって大きな声で呼んだ。公園を出ていこうとするベルさんの背中に向かって。ベルさんではなく美鈴さん、って。そして大きく手を振った。ベルさんは見ていないだろうけれど、それでも手を振った。
「またね! また明日、また明日ね!」
美鈴さんは振り返らなかった。でも足を止めて、そっと片手を上げて、小さく手を振ってくれた。だからわたしはもう一度手を振った。大きく大きく手を振った。
また明日。また明日、って。
こどものじけん エピソード7.「美鈴(ベル)の完璧な世界」 <了>
「今まで私たちが持って行ってたんだけれどね、よかったらアサヒちゃんからも」
って、帰り際にエリカちゃんとメイちゃんから頼まれた。
ベルさんのお休み中に配られたプリントはエリカちゃんやメイちゃんがベルさんの家に運んでいた。あの日の件についての説明のお手紙もその中に入っていて、「子どもたちの心について、学校でも注意深く見守っていきます。ご家庭でもお子さんの心に寄り添った対応をお願いいたします。不安なことは学校にご連絡ください、学校と家庭が協力して子どもたちの成長を見守っていければと思います」みたいなことが書いてあったっけ……家で読んだよ。
「ベルっちは、あんたをうちらのグループに巻き込んだことで、嫌な思いをさせたんじゃないかって気にしてる。だから、あんたの顔をみれば安心すると思う」
「だから、ね」
わたしが行っていいのかな? って言ったら、「いいのいいの」「むしろ行かなきゃ」って今日の分のプリントを渡されたので、帰り道、みどりさんと別れたあとでわたしはベルさんのマンションに寄った。みどりさんはわたしが持っているプリントを何か言いたげに見ていたけれど、結局何も言わなかった。わたしもどうしたの? とは訊かなかった。だってこのプリントをどうするかは、わたしが決めて良くって、どうするかを決めた上で受け取ったんだから。みどりさんは友だちだけど、わたしが決めたことにみどりさんの「気持ち」を割り込ませるのは「違う」気がしたから。マンションの前までサラちゃんも一緒だったけれど「今日はアサたんひとりで行くほうがいい気がする~。頑張ってね~」ってわたしを置いて先に帰った。
ベルさんの部屋番号はエリカちゃんとメイちゃんが教えてくれていたので迷わなかった。エントランスのインターフォンを鳴らして名乗ったら、出てくれたのはベルさん本人で「今からそっちに行くから待ってて」と返事があった。しばらく待つとエレベーターからベルさんが手を振りながら降りてきた。ベルさんの姿を見て、わたしはびっくりした。ベルさんは長い髪をスパッと切り、前髪を長めに横に流したショートにして、信じられないくらい大人っぽくなっていたから。そして流した髪でさり気なく隠すようにした頬に、みどりさんがつけたひっかき傷の跡があったから。
「べ、ベルさん、髪……!」
「うん、切ったの。似合う?」
「あ、あの……ほっぺ!」
「ああ、大丈夫。これはもう消えそうだし」
え、ええ……こんなにしっかり傷がついてしまっていたなんて……この傷はちゃんと完全に消えるのかな? って心配になったらめちゃくちゃ変な表情になった。そんなわたしをみて、 ベルさんはフフッてなった。
「この傷、ママ……親は大騒ぎしたけれど、正直そんなに大したものじゃないよね。それなのに誰にやられたってしつこく訊くから、誰にやられたのでもでもない、転んでついた傷だ、って言ったらそれがきっかけで喧嘩になっちゃった。髪もね、切らないで、って親が言うのを押し切って美容室に行って、めっちゃ垢抜けたと自分では思うんだけれど、やっぱり喧嘩になって。そんな感じで色々あって、学校のことを考える余裕がなかったんだ……。でももう大丈夫、そろそろ学校に行くわ――。ああ、それから、『ベル』っていうのはもうおしまい。『プリンセス』なんてもう恥ずかしいし。わたしのことは普通に名字か名前で呼んで」
え……。
1年生のときから「この人はベルさん」でやってきたから、いきなりそんなことを言われても、なんて呼んだらいいか分かんない。分かんないから、この話はとりあえず「ベルさん」のまま続ける。けれど、ベルさんの話や雰囲気から、ベルさんの世界に何かがあったんだってことはわかった。だってベルさんはずっとこう言っていたじゃない? 「わたしのママは、ほんとうはわたしの名前を「ベル」と読ませたかったの、プリンセスの名前だから……」って。
わたしからプリントを受け取ったベルさんは「ありがと」とほほ笑んで、こう誘ってくれた。
「以前土管トンネルがあった公園まで行こうか? 男子が『ドラ公』って呼んでた公園。ここからすぐだし、アサヒちゃんちの方向でしょう?」
わたしたちは「ドラ公」までの道を歩いた。
秋というにはまだちょっと暑い午後の日差しの下を。暑いけれども確実に日は短くなって、まだ午後3時半くらいなのに何となく夕方の雰囲気がある。「そういえば、ここ数日で蝉が全然鳴かなくなったね」って、ベルさんは街路樹を見上げてつぶやいた。「学校に行ってない間も時間は流れているんだね、当たり前だけれど」って。公園に着いたところで「ちょっとだけ話をしない?」ということになって、わたしたち二人は並んでベンチに座った。
低学年くらいの子たちが水鉄砲で撃ち合いをしているのを眺めながら、ベルさんは学校を休んでいた間のことを話してくれた。
「休みが続いて心配をかけてごめんね。って言うか、あの時はありがとう、助けてくれて。みどりさんを止めたアサヒちゃんは本物のヒーローだね……。みどりさんに立ち向かって、でも最後はみどりさんのことを助けたアサヒちゃんを見て、心がギュッとなったよ。
「あのね、先日先生がうちに来てくれて、少し話をしたの。みどりさんとのことを色々訊かれた。先生はみどりさんとわたしの間に何かあったんじゃないか、って思ってた。
「『何か』そうだね。わたしはあの日あの瞬間までは、みどりさんと正面からぶつかって喧嘩をしたことはなかった、みどりさんの悪口も言ったことはなかった。でも、わたしがあの日ああなった原因のひとつだというのはわかる。わたしは確かに、ああなっちゃうようなことをしたんだ、自分でやる代わりに周りの皆にやらせたんだって。そのせいでアサヒちゃんにも嫌な思いをさせてしまったよね。……だからわたしは、ちょっとだけ話した。わたしがみどりさんのことをどう思っていたか、わたしがみどりさんのどんなところを受け容れられないかを少しだけ。
「そうしたら先生はこう言ったわ。『別にあなたはみどりさんと仲良くしなくていい、仲直りなんてしなくてもいい。でも、相手がそういうものだということ”だけ“を受け容れて、互いに傷つかないようにしていけばいいんじゃないかと思うわ』って。先生がそう言ってくれてわたしはホッとした。だって無理だもん、あの子と仲良くするなんて。ごめんね、アサヒちゃんの友だちのことを悪く言っちゃって。でもこれが正直な気持ち。わたしはあの子のことが嫌い。
「わたしはわたしがみどりさんにしたことを謝れないし、仮に向こうが謝ってきても許せない。みどりさんも同じことを考えていそうだよね。たぶんわたしたちは分かり合えないし、許し合わないまま、関わり合わないまま、半年後に卒業したらサヨナラ。互いの人生からいなくなるの。でもね」
でもね、と言って、ベルさんは少し考え込んだ。次に続ける言葉を言うか言わないか、悩んでいるな、ってわたしは思った。ベルさんはしばらくおいてから「うん」と自分自身に何かを確認するかのようにつぶやいた。そしてこう言った。泣きたいような、でもわたしは絶対そうする、って気持ちがこもっているように聞こえる声で。
「この先、みどりさんみたいな人に出会った時は、わたし、同じことは繰り返さない。その時のわたしはあの時のわたしとは違う、新しい別のわたしよ」
わたしは「そうだね」って頷いた。それでいいんだってわたしも思ったから。先生が「みどりさんと仲よくしなさい、仲直りしなさい」ってベルさんに「言わなかった」理由も何となくわかる気がした。仲良くするのも、仲直りするのも無理な時ってある。うちのおばあちゃんやお父さんのきょうだいがそうだった、と思う。分かり合えないとき、分かり合うのが無理ってとき、そういうことを頑張れないときや、頑張れない、頑張っても意味がない相手……こういう場合はやり過ごすしかない。そういうのってある。いつでも、誰にでもあるはず。そういうときはしょうがない。先生はちゃんとそれをわかってくれていて、「みんな仲良しでなくてはいけない」なんてきれいごとは言わなかった。
でも同時に「しょうがなくない」。今回みたいなことを繰り返していいわけがない。分かり合えなくても、 今回とは違う行動を選んでいかなくちゃならない。
それはなんて難しいんだろう、複雑なんだろうって思う。でもベルさんはその難しさと複雑さを引き受けようと決めたんじゃないか、これまでのベルさんとは違う新しいベルさんとして……ってそんな気がした。
「ごめんね、長話をして引き留めちゃって」とベルさんが立ち上がった。「今日はアサヒちゃんと会えて嬉しかった」「大変なことに巻き込んじゃって、嫌な思いをさせちゃってごめんね、もう困らせないから」「じゃあね」って手を振って。
わたしは、何かを言わなきゃ、と思った。何か、何か、何かを。わたしにもサラちゃんみたいな喋りの力があればいいのに――!!
「美鈴さん!」
わたしは立ち上がって大きな声で呼んだ。公園を出ていこうとするベルさんの背中に向かって。ベルさんではなく美鈴さん、って。そして大きく手を振った。ベルさんは見ていないだろうけれど、それでも手を振った。
「またね! また明日、また明日ね!」
美鈴さんは振り返らなかった。でも足を止めて、そっと片手を上げて、小さく手を振ってくれた。だからわたしはもう一度手を振った。大きく大きく手を振った。
また明日。また明日、って。
こどものじけん エピソード7.「美鈴(ベル)の完璧な世界」 <了>