「またのご来館をお待ちしておりますにゃ」
リピーターの途絶えた旅館女将
○山猫 名子(やまねこ なご)
性別:女
秘境にそびえるちっぽけな温泉旅館、山猫館の末代女将。
ここに泊まるものは極上のサービスが受けられるという噂。
――けれど、誰もここがどんな旅館であるか語るものの居ないという、曰く付きの旅館であった。
そんなミステリアスな曰くも口コミに乗りつつ、
怖いもの見たさに人々は訪れようとする。
もっとも、旅館は深い霧に包まれ、簡単には辿り着けない仕組みなのだが。
山猫家は見ての通り、ネコ娘の一族である。
一族代々女しか生まれず、人間の男と結婚しても必ずネコ娘の女しか生まれないという、独特の血が流れ継がれていた。
獣耳を持つもの、人と関わり持つことなかれ――。
先祖様の古い教えに従い、山奥の集落でひっそりと暮らしてきた由緒正しい猫一族であった。
子孫繁栄以外に人間の手を借りることなく、
一度結婚した人間ともすぐ縁を切るほど人間を毛嫌いしている。
――そのはずだったが、母は本気で人間に恋をしてしまい、
慣習を破って人間と関わりを持つようになってしまう。
旦那の力も借りて温泉旅館を建てると、人間のために尽くしはじめる。
名子は物心がつくまで、二人が幸せだと信じていた。
ある日、母が命を落とした。旦那の暴力によって。
彼女は日頃脅され、無理やり働かされていたのだ。
「おい、名子。バカな母の代わりに働きやがれ」
吐き捨てる父の喉元を、名子は強く噛み千切った。
一人になった名子は、山猫館の主を襲名するようになる。
人間を幸せにする代わりに、彼らを生きて帰さない――。
それが、山猫名子に与えられた復讐だった。
能力名:注文の多い温泉旅館
自分が対象に尽くす代わりに、対象を自分の言いなりにする能力。
催眠術の一種。相手が一番求めているものを探ることも出来る。
ギブアンドテイク。お代は命で結構。
戦う動機:人間に一矢報いるため。
イラスト:ジュエルセイバーFREE様
作者:如月真琴
宿利湯乃
性別:女性
年齢:22歳
職業:他の旅館の女将見習い
設定:この女将の知り合いで女将を目指している女性。しかし、コミュニケーションスキルと温泉の調合以外のスキルはほぼ0に等しい。
能力:香る湯の花
温泉の調合に役立つ能力。なかなかの色女で香りがいい為、色々な男を虜にしてしまうこともある。虜になった男は悉く精神的に犯される。←色々な意味で……。女性には効果がない。本人は、自覚していない為、なかなか罪な女である。この能力のお陰で他の旅館の女将たちを困らせることも多々ある。
女将を目指す理由:女将に近づくため