#04 小さな靴の力
文字数 1,252文字
私は信じるわ。きっと人間の住む世界に興味がある、好奇心 旺盛 な妖精よ。ニコラ、知ってる? 妖精にも、いろんな種類がいるのよ。人間と同じくらいの大きさの妖精もいれば、小人のように小さな妖精もいるの。あと、人間にイタズラする妖精や警戒心の強い妖精もね。
リゴーン、リゴーン……。
8時を告げる鐘が響き渡ります。
ふたりはまた目を閉じ、鐘の音にじっと耳を傾けました。
ノエルがそう言ったときです。
ニコラの体が、みるみる大きくなっていくではありませんか!
ニコラの体が、みるみる大きくなっていくではありませんか!
────不思議なことが起こりました。
ニコラは、まだ気づいていないようです。
すると、どうでしょう。
鏡には、タキシードをビシッと決めた、りりしい青年が映っています。
鏡に映る自分を見て、ニコラは頬をつねりました。
はしゃいでいたかと思うと、今度はお父さんのように腕を組んで、鏡の前でうなりだしました。
ニコラがそう言ったときでした。
ノエルの手もとにあった小さな靴が、ビンの中でキラリと光ったのです。
靴が光った途端、ニコラの鼻の下に、お父さんのような立派なお
ニコラはまた大はしゃぎです。
ノエルは、この小さな小さな靴に不思議な力があることに気づいたのです。