第6話

文字数 529文字

       6

 会場入りした神白たちは、身支度をしてからコートに入った。昨日の雨でまだ少し水たまりが残っていた。
 サッカー・コートの両側に、十列ほどの簡易の個別ベンチがびっしりと並んでおり、すでに六割ほどが埋まっていた。レアル二軍用のスタジアムであるため豪華さはなく、雰囲気は日本の市町村運営の陸上競技場に近いものがあった。
 アップが済んで、神白たちはゴドイの下に集合した。ゴドイはいつも以上のエネルギッシュさで、神白たちを鼓舞した。
 選手入場、全員との握手、円陣を終えて、神白たちはそれぞれのポジションへと駆けて行った。
 ゴール前に着いた神白は、深呼吸で気持ちを高めつつ前方に目を向けた。
 バルサはいつも通り、4―3―3で天馬は右ウイング、レオンが右ハーフだった。異なる点は暁が左センターバックに入り、右のアリウムとコンビを組んでいるところだった。
 対するルアレは4―4―2で、中盤は横一列の陣形である。モンドラゴンは右サイドバックで、オルフィノは左フォワードだった。しかし対戦経験の豊富な神白は、オルフィノは試合中、最前線より少し引いたポジションで自由に動き回ると知っていた。
 笛が鳴った。ルアレ9番が足裏で転がし、決勝戦が始まった。
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