ピラー草原4 晩ごはんとお薬と
文字数 1,903文字
辛さで汗をかけば熱も下がり一石二鳥を狙える料理。しかもウマイ。
レヴィの中では、誰にだしても恥ずかしくない料理ナンバーワンだったりする。これを食べればあの娘も明日には回復するだろう。
サヤインゲンに似た形のオレンジ色の細長いさやは熱を加えるとピンク色になり、辛さが増すほどショッキングピンクに近くなる。レヴィの掴んだそれをそのまま入れると黄金色のスープが眼がチカチカしそうな濃いショッキングピンクに染まる。
家の話まで、でてきたら最悪だ。気が滅入る。
うん、きっとそうだ。そうに違いない。
和泉は絶句してスプーンが止まり、
咲良は、大粒の涙を流してスプーンが止まった。
数分後
多少の苦さなら「良薬口に苦し」という言葉通りだが、生半可な苦さではなかった。咲良でさえ、躊躇する苦さだ。
舌がヒリヒリする。そして今、飲んだか監視にきたらしいアイリスに思いっきりにらまれている。
ひんやりとした空気が辺りをおおっていた。室温もかなり下がりアイリスの周りには氷の結晶が舞いはじめている。
そのため騎士団や王宮魔術師達の評判も悪く、いつも飲ませるのは、最終的に力づくだったりする。異世界の勇者相手にとは思わなかったが、咲良をこのままの状態にしておくことは、心がとがめた。