第1話
文字数 1,997文字
【2021年ノベルデイズ国語テスト】
※次の文章をよく読み、問いに答えなさい。
第一章『花火』
ピュ〜、ドーン!
日本三大花火として知られている長岡花火。
そこには今年も沢山の人達が、それぞれの想いを胸に足を運んでいた。
マサルとA子もその中の2人だった。
「やっぱり花火って綺麗だね。私とは違って……」
浴衣姿のA子の口から、自然とそんな言葉がこぼれた。
マサルとA子は交際を始め、もうすぐ一年になる。
スナックで働いていたA子に、客として通っていたマサルは一目惚れした。そして猛アタックの末、A子との交際を勝ち取ったのだった。
猛アタックの末といったが、振られた数は実に102回。
「マサルさんは大切なお客様だし、それに私なんて綺麗じゃないから、もっと相応しい人がいると思うよ」
いつもの振られ文句である。
「A子ちゃんは綺麗だっぺ! 誰がなんと言おうと綺麗だっぺ! 顔がとか性格がとかじゃなくて、一番深いとこにある、芯みたいなとこが綺麗だっぺ! おで、もっど知りたいんだA子ちゃんのこと!」
103回目。
この告白に、遂にA子が折れた。
「そこまで言うなら……後悔しても知りませんよ……」
そうして2人の交際は始まったのであった。
そして現在に至る。
「花火もA子ちゃんも綺麗だっぺ。まぢがいねぇ!」
交際前の何の根拠もない『A子ちゃんは綺麗』という言葉は、約一年の交際を経て、確信へと変わり確かな重みを得ていた。
A子が自分にまだ秘密を抱えていることを知った上でも、その確信に揺らぎはない。
「なーんにも知らないくせに……」
「知らないからわからないってか? んなことはねぇっぺ。今までの全ての出来事がA子ちゃんをつくってるっぺ。A子ちゃんが誰よりも人に優しくできるのは誰よりも傷付いてきたからだっぺ」
気付けばA子の目からは涙が溢れていた。
「……う、あたしの秘密……聞かないの?」
「聞かないっぺ。A子ちゃんが自分から言いたくなったら言っだらいい。それがどんなもんでも、おではうげいれるっぺ」
「ありがとう……」
その後、2人はただ肩を寄せ合い無言で花火を見上げた。
言葉なんて必要なかった。
一つ。また一つと花火が上がるたびに、それだけで2人の心の距離は近づいていった。
そして花火大会もクライマックス
一際大きな花火が夜空を照らし、最後に上がった正三尺玉の音は、人々の鼓膜だけでなく心臓まで揺らした。
「あー、本当に綺麗だったね」
「んだんだ! まだ来年も来ようっぺ」
マサルの口から当たり前のように出た『来年も』という言葉にA子は嬉しくなった。
だから少しいじわるしてみたくなったのかもしれない。
「来年も今の関係が続いていたらね?」
女とは困ると知っていながら困らせたくなる生き物なのである。
「関係が続いてなくてもだっぺ?」
マサルがA子の前に跪 き、薬指にそっと指輪をはめた。
指輪にはお世辞にも大きいとは言えないが、とても綺麗に輝くダイアモンドが光っている。
数秒後、意味を理解したA子の目からは涙が大量に流れていた。
それはまるでナイアガラの滝のようだった。
「おでど、結婚しでぐでまぜんが?」
「あだぢでよげでば」
でっかいでっかい花火が打ち上がった。
第一章・完
※【自叙伝・西園寺明子 (本名)、本日AV女優を卒業します♡】第一章・『花火』より一部抜粋
問一
・二人が訪れたのは日本三大花火の何花火か。本文から抜き出しなさい。
答え
・長岡花火
問ニ
・マサルとA子の交際期間はどのくらいか。
答え
・約一年
問三
・A子はスナックで働いていたとあるが、スナック菓子と聞いてあなたが今食べたいものを三つ答えなさい。
答え
・タ〇タ〇してんじゃねぇよ
・ドンタ〇ス
・ポリ〇キー
問四
・マサルが振られる時のいつもの振られ文句を本文より抜き出しなさい。また102回フられていますが、それについてどう思いますか?
答え
・「キムチ食った後に告白するなっていつも言ってんだろ!」
・多い
問五
・103回目の告白の時マサルは「芯みたいなとこが綺麗」と言っていたが【芯】という漢字はどういう漢字か。
答え
・草冠に心
問六
・問七の問題が思い浮かばないので、今すぐ考えて答えてください。
答え
・コンビニでお支払いは現金ですか? と聞かれた時なんて答えますか。いつもの感じで答えなさい。
問七
・コンビニでお支払いは現金ですか? と聞かれた時なんて答えますか。いつもの感じで答えなさい。
答え
・PayPay でお願いします
問八
・A子がずっとクドイくらいに秘密秘密と連呼していますが、その秘密とは何ですか? 妄想で答えなさい。
答え
・AV女優様
問九
・A子の秘密はAV女優様でしたが、その本名を冷静と情熱のあいだ、つまりは平常心でお答えください。
答え
・西園寺明子
問十
・このテストを終え、今のあなたの感情を言葉で表現してください。
答え
・でっかいでっかい花火が打ち上がった。
※次の文章をよく読み、問いに答えなさい。
第一章『花火』
ピュ〜、ドーン!
日本三大花火として知られている長岡花火。
そこには今年も沢山の人達が、それぞれの想いを胸に足を運んでいた。
マサルとA子もその中の2人だった。
「やっぱり花火って綺麗だね。私とは違って……」
浴衣姿のA子の口から、自然とそんな言葉がこぼれた。
マサルとA子は交際を始め、もうすぐ一年になる。
スナックで働いていたA子に、客として通っていたマサルは一目惚れした。そして猛アタックの末、A子との交際を勝ち取ったのだった。
猛アタックの末といったが、振られた数は実に102回。
「マサルさんは大切なお客様だし、それに私なんて綺麗じゃないから、もっと相応しい人がいると思うよ」
いつもの振られ文句である。
「A子ちゃんは綺麗だっぺ! 誰がなんと言おうと綺麗だっぺ! 顔がとか性格がとかじゃなくて、一番深いとこにある、芯みたいなとこが綺麗だっぺ! おで、もっど知りたいんだA子ちゃんのこと!」
103回目。
この告白に、遂にA子が折れた。
「そこまで言うなら……後悔しても知りませんよ……」
そうして2人の交際は始まったのであった。
そして現在に至る。
「花火もA子ちゃんも綺麗だっぺ。まぢがいねぇ!」
交際前の何の根拠もない『A子ちゃんは綺麗』という言葉は、約一年の交際を経て、確信へと変わり確かな重みを得ていた。
A子が自分にまだ秘密を抱えていることを知った上でも、その確信に揺らぎはない。
「なーんにも知らないくせに……」
「知らないからわからないってか? んなことはねぇっぺ。今までの全ての出来事がA子ちゃんをつくってるっぺ。A子ちゃんが誰よりも人に優しくできるのは誰よりも傷付いてきたからだっぺ」
気付けばA子の目からは涙が溢れていた。
「……う、あたしの秘密……聞かないの?」
「聞かないっぺ。A子ちゃんが自分から言いたくなったら言っだらいい。それがどんなもんでも、おではうげいれるっぺ」
「ありがとう……」
その後、2人はただ肩を寄せ合い無言で花火を見上げた。
言葉なんて必要なかった。
一つ。また一つと花火が上がるたびに、それだけで2人の心の距離は近づいていった。
そして花火大会もクライマックス
一際大きな花火が夜空を照らし、最後に上がった正三尺玉の音は、人々の鼓膜だけでなく心臓まで揺らした。
「あー、本当に綺麗だったね」
「んだんだ! まだ来年も来ようっぺ」
マサルの口から当たり前のように出た『来年も』という言葉にA子は嬉しくなった。
だから少しいじわるしてみたくなったのかもしれない。
「来年も今の関係が続いていたらね?」
女とは困ると知っていながら困らせたくなる生き物なのである。
「関係が続いてなくてもだっぺ?」
マサルがA子の前に
指輪にはお世辞にも大きいとは言えないが、とても綺麗に輝くダイアモンドが光っている。
数秒後、意味を理解したA子の目からは涙が大量に流れていた。
それはまるでナイアガラの滝のようだった。
「おでど、結婚しでぐでまぜんが?」
「あだぢでよげでば」
でっかいでっかい花火が打ち上がった。
第一章・完
※【自叙伝・西園寺明子 (本名)、本日AV女優を卒業します♡】第一章・『花火』より一部抜粋
問一
・二人が訪れたのは日本三大花火の何花火か。本文から抜き出しなさい。
答え
・長岡花火
問ニ
・マサルとA子の交際期間はどのくらいか。
答え
・約一年
問三
・A子はスナックで働いていたとあるが、スナック菓子と聞いてあなたが今食べたいものを三つ答えなさい。
答え
・タ〇タ〇してんじゃねぇよ
・ドンタ〇ス
・ポリ〇キー
問四
・マサルが振られる時のいつもの振られ文句を本文より抜き出しなさい。また102回フられていますが、それについてどう思いますか?
答え
・「キムチ食った後に告白するなっていつも言ってんだろ!」
・多い
問五
・103回目の告白の時マサルは「芯みたいなとこが綺麗」と言っていたが【芯】という漢字はどういう漢字か。
答え
・草冠に心
問六
・問七の問題が思い浮かばないので、今すぐ考えて答えてください。
答え
・コンビニでお支払いは現金ですか? と聞かれた時なんて答えますか。いつもの感じで答えなさい。
問七
・コンビニでお支払いは現金ですか? と聞かれた時なんて答えますか。いつもの感じで答えなさい。
答え
・
問八
・A子がずっとクドイくらいに秘密秘密と連呼していますが、その秘密とは何ですか? 妄想で答えなさい。
答え
・AV女優様
問九
・A子の秘密はAV女優様でしたが、その本名を冷静と情熱のあいだ、つまりは平常心でお答えください。
答え
・西園寺明子
問十
・このテストを終え、今のあなたの感情を言葉で表現してください。
答え
・でっかいでっかい花火が打ち上がった。