第四幕(4)

文字数 326文字

ゲンリー。ここを出よう。
そうだね。
村を出て少し南に下れば、国境の、シノスの川だ。それを渡ったところにオーゴレイン国立第三通信局がある。明日の明け方発てば、日暮れまでには着く。
了解。
宿の主人に紙をもらって、紹介状を書いておいた。万が一のときには、局長に渡してくれ。
万が一って……?
君はまっすぐシノス川へ向かう。私は、テントとストーブを処分して、その代金でボートを調達してくる。川岸で落ち合おう。
僕もいっしょに行くよ。
(教えさとすように)君のスキーの速さに合わせて行動していたら、いつまでたっても川を渡れない。心細いだろうとは思うが、言うとおりにしてほしいんだ。いいね。
……
どうした?
(すねて)いつだって「ああしろ、こうしろ」ばっかり。
何か言った?
別にー。
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登場人物紹介

ゲンリー・アイ

地球出身。惑星同盟《エキュメン》の特使。惑星《冬》ことゲセンに単身降り立ち、カーハイド帝国の皇帝に開国をうながす。長身。性格は誠実で直情的。推定される容貌はアフリカ系。男性。

セレム・ハース・レム・イル・エストラヴェン


ゲセン出身。帝国カーハイドにおける《王の耳》(宰相に相当する最高実力者)。ゲンリーの使命の重要性をただ一人理解する。やや小柄(ゲセン人の平均的体躯)。性格は慎重かつ大胆。推定される容貌はアジアあるいはエスキモー系。中性(両性具有)。

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